研究課題
基盤研究(C)
本研究では、儒教経典の一つである『易経』が中国思想史においてどのように理解され、研究されてきたのか、とりわけ、北宋の邵雍著『皇極経世書』をとりあげ、宋代易学の思想史的特徴を探った。邵雍の易学は、易を暦の数理に合わせる伝統的方法を逆転させ、暦を易の数理に合わせることによって誤差をなくし、両者の整合関係をみごとに証明するものであったが、じつは漢代の『緯書』にも同様の解釈法が確認される。邵雍は漢代の伝統的方法を受け継ぎつつ、より徹底した両者の整合化をはかるものであったということを明らかにした。
中国思想史