(1) ガンゲーシャ著『タットヴァ・チンターマニ』「言語論の章」「定動詞語尾節」の8つの部分の内、最終部分である「(h)ニヤーヤ学説の詳解」の英語訳と分析とを国際的な学術誌に発表した。これにより、彼の定動詞語尾に関する議論の全体像が明らかとなった。 (2) ガンゲーシャの結論を、8つの部分に述べれらた主張からその「全体像」を構成して、平成23年度末に開かれた「第15回世界サンスクリット会議」で発表したが、この発表原稿が国際的な学術誌に掲載された。 (3) (1)で得られた分析結果は、これまで2~3の学術誌に発表してきたが、これらを再検討して、インドの4大学(プネー大学、ジャダヴプール大学、ジャワハラルラル・ネルー大学、クルクシェートラ大学)での招待講演として発表した。発表会場での質疑を通して改良をし、改めて単行本として発表する機会を得たが、実際の出版は早くて平成26年度中である。 (4) オリッサで発見された『否定辞論頌』(Nan-vada-karika)の写本の英語訳と内容の分析とを、共同研究者であるウトカル大学(インド)S. ダシュ講師と共に単著として出版した。この成果を日本語で国内学会において発表し、論文として学術誌に掲載した。この写本研究によって、テキストの形成過程について、「頌形式から散文形式へ」というインド人研究者の定説に対して、「散文形式から頌形式へ」という逆の可能性を指摘することができた。 (5) 初期新ニヤーヤ学派の時代に属する『ニヤーヤ・シッダーンタ・ディーパ』と『ニヤーヤ・ラトナ』とのテキストデータベースを作成しているが、前者は終了し、後者は入力を終えて校正中である。
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