インド哲学文献に見る言葉の意味をめぐる論争史

2013 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 23520067
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 印度哲学・仏教学
• 研究機関: 九州大学
• 研究代表者: 片岡 啓 九州大学, 人文科学研究科(研究院), 准教授 (60334273)
• 研究期間 (年度): 2011 – 2013
• キーワード: 仏教論理学 / nyaya / apoha / Nyayamanjari / Jayanta / アポーハ / ジャヤンタ / Dharmottara

研究概要

インド仏教論理学における語の意味の理論については，近年，資料状況が変わりつつあり，それに伴い従来の研究を見直すべき時期に来ている．報告者は，仏教の伝統の外側から仏教の意味論を見直すために，報告者自身がサンスクリット語写本に基づき批判校訂した『論理の花房』（紀元後９世紀後半頃）というバラモン教文献に基づきながら，そこにおける仏教説批判を詳細に検討することを研究課題とした．研究成果の中心となるのは，『論理の花房』における語意論，特に，仏教説批判の箇所である．三篇の訳注研究を発表するとともに，関連する研究論文五篇，および，批判校訂一篇を学会誌・紀要に掲載した．

研究成果

• [雑誌論文] ジャヤンタの普遍論――Nyayamanjari和訳―― (2014)
  • 著者名/発表者名: 片岡啓
  • 雑誌名: 哲学年報(九州大学文学部) 巻: 73巻 ページ: 37-93
• [雑誌論文] Sucaritamisra's Critique of Apoha: A Critical Edition of Kasika ad Slokavarttika apoha v.1 (2014)
  • 著者名/発表者名: Kei Kataoka
  • 雑誌名: The Memoirs of Institutefor Advanced Studies on Asia 巻: Vol.165 ページ: 362(1)-289(74)
• [雑誌論文] 牛の認識は何に基づくのか?――ディグナーガのアポーハ論―― (2013)
  • 著者名/発表者名: 片岡啓
  • 雑誌名: 印度学仏教学研究 巻: 62巻,1号 ページ: 448(81)-441(88)
  • 査読あり
• [雑誌論文] Dharmottaraは Apoha論で何を否定したのか? (2013)
  • 著者名/発表者名: 片岡啓
  • 雑誌名: 南アジア古典学 巻: 8巻 ページ: 51-73
  • 査読あり
• [雑誌論文] 『ニヤーヤ・マンジャリー』「仏教のアポーハ論」章和訳 (2013)
  • 著者名/発表者名: 片岡啓
  • 雑誌名: 哲学年報(九州大学文学部) 巻: 72巻 ページ: 1-45
• [雑誌論文] アポーハとは何か? (2012)
  • 著者名/発表者名: 片岡啓
  • 雑誌名: インド論理学研究 巻: 5巻 ページ: 109-134
• [雑誌論文] ディグナーガの意味論をめぐって――有角性による推論の位置付け―― (2012)
  • 著者名/発表者名: 片岡啓
  • 雑誌名: 印度学仏教学研究 巻: 61巻,1号 ページ: 425(94)-419(100)
  • 査読あり
• [雑誌論文] アポーハ論批判―Nyayamanjari「クマーリラのアポーハ批判」章和訳―― (2012)
  • 著者名/発表者名: 片岡啓
  • 雑誌名: 哲学年報 巻: 71巻 ページ: 47-85
• [学会発表] 牛の認識は何に基づくのか?――ディグナーガのアポーハ論―― (2013)
  • 著者名/発表者名: 片岡啓
  • 学会等名: 日本印度学仏教学会第64回学術大会
  • 発表場所: 島根県民会館(松江市)
  • 年月日: 2013-08-31
• [学会発表] ディグナーガの意味論をめぐって――有角性による推論の位置付け―― (2012)
  • 著者名/発表者名: 片岡啓
  • 学会等名: 日本印度学仏教学会第63回学術大会
  • 発表場所: 鶴見大学(横浜市鶴見区)
  • 年月日: 2012-07-01
• [図書] シリーズ大乗仏教9認識論と論理学 (2012)
  • 著者名/発表者名: 片岡啓他
  • 総ページ数: 189-226
  • 出版者: 春秋社