研究課題/領域番号 |
23520069
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研究機関 | 創価大学 |
研究代表者 |
菅野 博史 創価大学, 文学部, 教授 (50204805)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 『大乗四論玄義記』 / 仏性 / 南朝仏教学 / 『大乗玄論』 / 慧均 / 吉蔵 / 三論宗 |
研究概要 |
1.『大乗四論玄義記』「仏性義」の訳注研究(訓読訳と引用経論の出典調査を中心内容とする)を進めた。2.東アジア仏教研究会第10回年次大会(駒澤大学)において、「『大乗四論玄義記』「仏性義」の「第一大意」の分析」と題して研究発表を行った。そして、同題の研究論文を刊行した(『創価大学人文論集』24, 2012.3, pp. 47-71[L])。3.その他、南北朝の仏教学と関連の深い『法華文句』『法華玄義』の訳注を進めた。『法華文句』については、『法華文句』(IV)(2011.9,第三文明社)を刊行し、完成した。『法華玄義』については、『新国訳大蔵経・中国篇・法華玄義I』(2011.9,大蔵出版)を刊行し、継続中である。また、『法華文句』の思想研究について、 2011.6.21 第16回国際仏教会(IABS, 台湾 )において、「On the "Four modes of interpretation" of the Fahua wenju」と題して研究発表した。4.南北朝・隋代の仏教思想研究を整理、集大成して、『南北朝・隋代の中国仏教思想研究』(2012.2,大蔵出版)を刊行した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
『大乗四論玄義記』の訳注研究は、写本資料の質が悪く、解読に予想以上の困難を伴ったために、研究のスピードがやや遅れた。 ただし、「仏性義」については、比較的詳しい訳注を作成したので、テキストの堅実な読解に基づく論文和刊行できた。今後の研究の礎石ともなるので、その点はよかったと思う。 また、南北朝時代の仏教学の集大成の一つともいえる智顗・灌頂の『法華文句』、『法華玄義』の訳注研究も今後の研究の礎石となり、拙著『南北朝・隋代の中国仏教思想研究』も当該研究テーマに資する所大である。
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今後の研究の推進方策 |
1.『大乗四論玄義記』「仏性義」の訓読訳を作成したので、今後は現代語訳を作成する。それに基づいて、研究発表や、研究論文を執筆刊行する。2.国際学会に参加し、あるいは海外の専門家と交流し、当該研究テーマに関する情報を収集する。3.『法華玄義』の訳注研究を継続して完成する。4.『大乗玄論』の内容を吉蔵の他の現存著作と比較研究し、『大乗玄論』の著者、編集者の問題について考察するとともに、内容的に、『大乗四論玄義記』と比較する。
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次年度の研究費の使用計画 |
1.物品費については、コンピューターソフトの購入や周辺機器の購入を予定している。2.旅費については、中国、韓国、アメリカなどの学会参加、それらの国々の海外の学者との情報交換を予定している。また、国内の学会の参加、学者との情報交換を予定している。3.謝金については、研究資料の整理などにアルバイト雇用を予定している。外国語による論文発表のために、翻訳料、校閲料を予定している。
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