『大乗四論玄義記』のテキスト研究の成果として、すでに慧均撰・崔〓植校注『校勘 大乗四論玄義記』が刊行されたので、写本の研究についてはほぼ終わったといえる。そこで、とくに「仏性義」の現代語訳と注釈研究に取り組んだ。日本印度学仏教学会や海外の学会で、『大乗四論玄義記』に関する研究発表を行ない、その成果を数篇の専門の論文として刊行した。南朝仏教学に関する研究成果として、『法華文句』、『法華玄義』の訳注研究を出版した。南朝仏教学の重要人物である道生、法雲、慧思、吉蔵などの思想研究をすすめ、論文を発表した。南朝仏教学に関するこれまでの研究の集大成として、筆者の論文集を刊行した。
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