研究課題/領域番号 |
23520070
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研究機関 | 国際仏教学大学院大学 |
研究代表者 |
DELEANU FLORIN 国際仏教学大学院大学, その他の研究科, 教授 (10271404)
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研究分担者 |
堀 伸一郎 国際仏教学大学院大学, 公私立大学の部局等, 研究員 (60339778)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | サンスクリット写本 / ネパール写本 / 写本識語 / ネワール / サンスクリット / ネパール史 / 仏教学 / データベース |
研究概要 |
1. 国際仏教学大学院大学附属図書館の所蔵するネパール系サンスクリット写本の写真版・原典転写版・校訂版等、公刊された書籍・雑誌論文の中から識語部分を含むものをリストアップし、文献目録を作成した。2. ネパール写本所蔵機関を中心に、利用案内・閲覧方法やインターネット上で利用できるカタログ・写本画像等へのリンクを集め、「サンスクリット仏教写本 所蔵機関リンク集」(http://www.icabs.ac.jp/iibs/links.html)として国際仏教学大学院大学ウェブページ上に公開した。3. 国内では、東京大学総合図書館、東洋文庫、立正大学情報メディアセンター大崎図書館に所蔵されるサンスクリット写本の実見調査を行った。研究分担者はイギリス・ロンドンに出張して、大英図書館と王立アジア協会でサンスクリット写本の実見調査を実施した。これら国内外での写本実見調査の際には、その場で識語を解読しノートパソコンで電子テキストとして入力した。書写完了日を明記した写本については、多くの場合、矢野道雄教授の開発したソフトウェアPancangaを応用して、日付を西暦に換算し書写年代を確定することに成功した。識語に含まれる地名・寺院名・王名・筆写者・寄贈者・所有者その他の固有名詞を収集した。写本の実見調査によって、既存の目録や校訂本に記載される識語に、非常に多くの誤読や年代見落とし等の欠陥が含まれていることが明らかになった。さらに、目録で"unidentified"(未比定)とされる一部写本の文献同定に成功した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ネパール写本所蔵機関に出向き、実見調査で識語を解読し全てノートパソコンで入力したため、写本識語のデータベースが着実に蓄積されている。目録で"unidentified"(未比定)とされる一部写本の文献同定に成功したことは、当初の計画になかった貴重な成果である。
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今後の研究の推進方策 |
引き続きネパール写本所蔵機関で実見調査を実施し、識語を精確に解読しながら、その場でパソコン上に入力していく。書写完了日を明記した写本については、日付を西暦に換算し書写年代を確定する。識語に含まれる地名・寺院名・王名・筆写者・寄贈者・所有者その他の固有名詞を収集しデータベース化する。ネパール写本識語関連書籍・論文の文献目録は、より一層網羅的なものにする。「サンスクリット仏教写本 所蔵機関リンク集」は、新たに発見したものや開設されたものを、その都度追加していく。
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次年度の研究費の使用計画 |
国内外のネパール写本所蔵機関で実見調査を実施するため、旅費を使用する。パソコン周辺機器、ソフトウェアを必要に応じ購入する。資料整理のために、複写費・謝金を使用する。ネパール写本研究に必要な書籍・資料等を順次購入していく。翌年度以降も同様の研究費使用を予定している。
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