強力な王のみが挙行を許されたアシュヴァメーダ(馬犠牲祭)は、インド史上最も大規模かつ壮麗な祭として知られる。その記述は紀元前以来、ヴェーダやウパニシャッド、叙事詩を始め多くの古典文献に残されており、儀礼のみならず、思想、文学の諸領域にわたる広範な文化的影響が見られる。 しかしその重要性に反して、アシュヴァメーダに関する領域横断的な学術研究はほとんど未着手のままであった。本研究では、上述の三領域を横断する形で緻密な文献調査を推し進め、総合的な視野におけるアシュヴァメーダ研究を行ってきた。これにより、インドの社会・文化への理解を促進する新たな知見を確立することが出来た。
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