研究課題/領域番号 |
23520077
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研究機関 | (財)東方研究会 |
研究代表者 |
佐久間 留理子 (財)東方研究会, その他部局等, 研究員 (60280658)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 国際情報交流 / バングラデシュ / アメリカ |
研究概要 |
ネパール国立公文書館(カトマンズ)所蔵の『カーランダ・ヴューハ』(KV)、『グナ・カーランダ・ヴューハ』(GKV)、『スヴァヤンブー・プラーナ』(Svp) のサンスクリット写本のマイクロフィルムを入手するため、8月6日~8月15日に、ネパールへ海外出張を行い、当該資料を入手した。帰国後、これらの資料を含む、KV, GKV, Svp のテキストの内容を解読、比較した。また、これらのテキストに関連する資料を収集するため、8月19日に、国立民族学博物館(大阪)へ出張した。収集した資料を用いた研究成果として「観自在信仰を説く経典に関する一考察~『カーランダ・ヴューハ・スートラ』を中心に~」と題する研究発表を、日本仏教学会2011年度学術大会(8月30日、於北海道大学)において行った。その後、発表内容を同学会誌に掲載するため入稿した(初校済)。 財団法人東方研究会・写本研究部会(2月28日、於東方研究会本部、東京都千代田区外神田)に出席し、ラージシャヒー大学付属ヴァレンドラ博物館(バングラデシュ)に、11世紀頃の書写と推定されるKVのサンスクリット貝葉写本(1本)が所蔵されており、また、この写本が、現存するKVの最古の写本の一つであり、当該研究のサンスクリット校訂において活用すべき資料であるという新たな知見を得た。収集した写本の一部や図書等の資料を活用して、サマスラミ校訂本のKV第1部第1~11章のテキスト・データベースの作成、及び、翻訳研究を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究内容を学会において発表することができたので、おおむね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に引き続き、サマスラミ校訂本の『カーランダ・ヴューハ・スートラ』(KV)第1部第12章~第2部第2章のテキスト・データベースの作成、及び、翻訳研究を行う。また、サマスラミ校訂本のKVとローケシュチャンドラ校訂本の『グナ・カーランダ・ヴューハ・スートラ』との内容の比較を行う。さらに、KVはネパールにみならずチベットにも伝わり翻訳されているので、チベット仏教における観自在信仰も視野に入れて研究を行う。そのために中国チベット自治区や北京におけるチベット仏教寺院のフィールドワークを実施する。
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次年度の研究費の使用計画 |
インド・ネパール・チベット仏教に関する図書等の資料を収集するため、国立民族学博物館(大阪)等へ国内出張を行う(2泊3日×2回程度)。また、研究成果の公表や当該研究に必要な知見を得るため、学会参加のための国内出張を行う(2泊3日×2回程度)。さらに、チベット仏教における観自在信仰についてフィールドワークを行うため、中国チベット自治区や北京へ海外出張する(10泊11日程度)。物品として、インド・ネパール・チベットの仏教関連の図書、フィールドワークに必要な機材(デジタルカメラ等)を購入する。また、資料の複写、焼付等も行う。
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