研究課題/領域番号 |
23520077
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研究機関 | 公益財団法人中村元東方研究所 |
研究代表者 |
佐久間 留理子 公益財団法人中村元東方研究所, その他部局等, 研究員 (60280658)
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キーワード | 国際情報交換 / ネパール / インド / カンボジア / ベトナム |
研究概要 |
サマスラミ校訂本の『カーランダ・ヴューハ・スートラ』(KV)第1部第12章~第2部第2章のテキスト・データベースの作成、及び、翻訳研究を行った。また、サマスラミ校訂本のKVとローケシュチャンドラ校訂本の『グナ・カーランダ・ヴューハ・スートラ』(GKV)との内容の比較を行った。これらの研究成果の一部は、学会誌(『日本仏教学会年報』77号)や学術雑誌(『東方』28号)において公表した。 KV, GKVはネパールにおいて、また、KVはチベットにおいて流布している。ネパール仏教やチベット仏教におけるこれらの経典の流布状況や観自在信仰の実態を知るため、ネパールのカトマンズ、及び、インドのチベット文化圏(ラダック地方のレー)においてフィールドワークを実施した。また、ネパールでは、ロータス・リサーチ・センターのM.ヴァジュラーチャールヤ博士と、カトマンズ盆地におけるKV, GKVの流布状況や観自在信仰について、意見を交換することができた。これらの研究成果は、今後公表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究内容を学会誌や学術雑誌において公表することができたので、概ね順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
前年度に引き続き、サマスラミ校訂本の『カーランダ・ヴューハ・スートラ』(KV)第2部第2章~第8章(最終章)のテキスト・データベースの作成、及び、翻訳研究を行う。また、KVの梵文貝葉写本(ラージシャヒー大学付属ヴァレンドラ博物館(バングラデシュ)所蔵写本等)の内容について、サマスラミ校訂本、及び、チベット語訳や漢訳と比較し、それらの特徴について考察する。さらに、KVが流布した東南アジア地域(カンボジア・ベトナム)における観自在に関する図像資料を蒐集するため、当該地域においてフィールドワークを行う予定である。これらの研究成果は、学会発表や学会誌等において公表する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
インド・ネパール・チベット・カンボジア等の仏教に関する図書等の資料を蒐集するため、国立民族学博物館(大阪)等へ国内出張を行う(2泊3日X2回程度)。また、東南アジアの観自在に関する図像資料を蒐集するため、カンボジアやベトナムの博物館・遺跡(プノンペン国立博物館・ダナン博物館等)へ海外出張を行う(4泊5日X1回程度)。さらに、研究成果の公表や当該研究に必要な知見を得るため、学会参加のための国内出張を行う(2泊3日X2回程度)。物品として、インド・ネパール・チベット・カンボジア等の仏教関連の図書を購入する。また、資料の複写、焼付等も行う。
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