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2011 年度 実施状況報告書

自然的宗教史から見た人間存在における悪、死そして救いの構造研究

研究課題

研究課題/領域番号 23520078
研究機関弘前大学

研究代表者

諸岡 道比古  弘前大学, 人文学部, 教授 (70133915)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2014-03-31
キーワード自然的宗教 / 生と死 / 悪 / 救い
研究概要

日本宗教学会において「フィヒテ宗教論の展開とシェリング」と題して、口頭発表を行った。この発表は、シェリングのフィヒテ批判がフィヒテの諸著作において妥当するのか否かを検討するものである。特にシェリングが後期フィヒテ哲学においてフィヒテにより唐突に絶対者が導入された、と批判する点に焦点をあて、その実際がどうであるかを『あらゆる啓示批判の試み』、無神論論争期の諸論文、『一八○四年知識学第二回講義』、『浄福なる生への指教』等を使用しながら明らかにした。そして絶対的自我と絶対者との関係を再検討するとともに、フィヒテとシェリングの宗教、信仰の問題を整理した。 東北哲学会主催のシンポジウム「シェリングにおける自然と神」に提題者として招待され、「シェリングと神-後期哲学を中心として-」と題した報告を行った。この報告は、シェリングが自然を神との関係において、いかに捉えているか、を彼の後期哲学に属する諸著作において検討したものである。カントやフィヒテの影響を受け思索を始めたシェリングが、彼らの問題構成から如何に離れ、シェリング独自の自然観を形成し発展させたか、を報告した。一言で言えば、その展開はシェリングが自然を次第に神による創造と考えるようになった、というものである。これらの発表により、フィヒテやシェリングの宗教観をより一層明確に把握した。 ヘーゲルの『精神現象学』、『宗教哲学講義』の解読ならびに分析を継続して行うとともに、この研究を進展させるために、宗教と哲学との関係を如何に解釈するか、をヘーゲル研究者である座小田豊氏や藤田正勝氏から示唆を与えて貰った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

ドイツ観念論思想における自然的宗教について従来の研究を進展させることができたため、おおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

今年は自然的宗教思想の流れを遡り、レッシングの自然的宗教に関する考えを纏め、日本宗教学会で発表する。 なかなか進展しないヘーゲル哲学理解を進展させるために、座小田氏との連携を密にし、ヘーゲル哲学における哲学と宗教との関係について重点的に研究を行う。

次年度の研究費の使用計画

昨年の3.11大震災による影響で、授業が変則化し長期休暇が無くなったため、ドイツにおいて最新の研究動向を調べることができず、予定していた金額を繰り越しした。また、昨年より入試広報委員会の長をしており極めて時間を作ることが難しいが、今年は時間が許される限り渡航し、上記計画を実施する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] シェリングと神-後期哲学を中心として-2011

    • 著者名/発表者名
      諸岡道比古
    • 学会等名
      東北哲学会(招待講演)
    • 発表場所
      弘前大学
    • 年月日
      2011.10.22
  • [学会発表] フィヒテ宗教論の展開とシェリング2011

    • 著者名/発表者名
      諸岡道比古
    • 学会等名
      日本宗教学会
    • 発表場所
      関西学院大学
    • 年月日
      2011-09-04

URL: 

公開日: 2013-07-10  

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