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2012 年度 実施状況報告書

海外における日本神話研究の歴史とその現代的意義の再検討

研究課題

研究課題/領域番号 23520087
研究機関和光大学

研究代表者

松村 一男  和光大学, 公私立大学の部局等, 教授 (70183952)

研究分担者 平藤 喜久子  國學院大學, その他部局等, 准教授 (50384003)
キーワード日本神話 / 古事記 / 海外 / 比較研究 / 世界神話
研究概要

5月に国学院大学研究開発機構「日本文化を知る講座 1300年目の古事記」において平藤が主に古事記の翻訳の歴史と現状について講演を行い、松村が災害の神話を中心に世界神話としての古事記の意義について講演を行った。
松村は9月1‐3日にロシア、サンクト・ペテルブルグ、ヨーロッパ大学において開催された第六回国際比較神話学会(IACM)大会に参加し、Japanese Mythology of the Kojiki as World Mythologyという、古事記を世界神話として評価すべきという発表を行ない、各国の研究者と意見交換を行った。
9月8日には日本宗教学会第71回学術大会において、松村が「災害時の語りの宗教学
」のパネルを組織し、松村が司会と発表を、平藤が発表を行った。パネル要旨は『宗教研究』86-4(2013), 116-120頁に掲載。
この年度中、世界の神話を日本神話と文化史的視点から比較するための資料として神話事典を編纂することを松村と平藤が編集委員となって行った。その成果が2013年1月に『神の文化史事典』として白水社より刊行された(ISBN978-4-560-08265-2)。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

海外における日本神話研究の現状調査については2012年度も国際比較神話学会に松村が参加し、海外の多くの神話研究者と交流を行い、日本神話の世界神話としての重要性を認識してもらうことに貢献できたと感じている。
日本宗教学会のパネルは朝日新聞東京本社版2012年10月1日夕刊文化面において紹介された。この研究の重要さを対外的にアピール出来たのではないかと思う。
『神の文化史事典』は日本経済新聞2013年3月18日朝刊文化面「文化往来」において紹介された。こちらもこれまでにない新しい神話への関心を喚起する試みとして評価されている。この他、同書についてはサンデー毎日、神戸新聞、図書新聞などにも好意的な紹介や書評が掲載されている。

今後の研究の推進方策

2013年度はこの基盤研究の最終年度にあたるので、これまでの研究の集大成を行うことになる。これまでの調査で蒐集してきた資料の整理と公開を目指すが、引き続き、資料の蒐集および研究成果の公開にも努めていく。
2013年度の国際比較神話学会(IACM)が5月15-17日にドイツ、チュービンゲン大学に置けて開催されるので、松村、平藤両名が参加し、研究成果を発表するとともに、これまでと同様に日本神話研究の重要性を参加者に認識させる努力を行い、併せて各国での日本神話研究の状況について情報蒐集に努める。今回の責任者であるチュービンゲン大学のアントーニ教授は古事記のドイツ語翻訳者でもあり、同大の日本学科の責任者であるので、本研究の課題である海外における日本神話研究の展開について論じる、格好の機会となるはずである。
2013年度の日本宗教学会には日本神話に詳しいハーバード大学のヴィツェル教授が招かれており、松村と平藤は交流の機会を持つ予定となっている。
これまでの研究成果を英文で公開することを目指す。印刷物とネット情報の両面を考えている。

次年度の研究費の使用計画

物品費、旅費、謝金等、その他の四項目において研究費を使用したいと計画している。それぞれの割合は以下の通り。
機材購入のための物品費に両名併せて40万円
調査旅行および国際学会での発表のための旅費に両名併せて60万円弱
これまでの成果を英文で公開するためのネイティヴによる編集のための謝金として15万円
成果の印刷物としての刊行ならびに関係者への配布のために15万円

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 印欧語族の死後世界観2013

    • 著者名/発表者名
      松村一男
    • 雑誌名

      異界と常世

      巻: 1 ページ: 85-98

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 外国人が見た古事記―130年目の古事記―2013

    • 著者名/発表者名
      平藤喜久子
    • 雑誌名

      國學院大學研究開発推進機構紀要

      巻: 5 ページ: 33-47

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 岡正雄を読み直す―現代の神話学から―2013

    • 著者名/発表者名
      平藤喜久子
    • 雑誌名

      ヨーゼフ・クライナー編、日本民族学の戦前と戦後、東京堂出版

      巻: 1 ページ: 211-224

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Japanese Mythology of the Kojiki as World Mythology2012

    • 著者名/発表者名
      松村一男
    • 雑誌名

      Mythes, Symboles, Images II

      巻: 2 ページ: 21-34

    • 査読あり
  • [学会発表] Japanese Mythology of the Kojiki as World Mythology

    • 著者名/発表者名
      松村一男
    • 学会等名
      国際比較神話学会(International Association for Comparative Mythology)
    • 発表場所
      ロシア、サンクトペテルブルグ
  • [学会発表] 江戸時代の災害の語り

    • 著者名/発表者名
      松村一男
    • 学会等名
      日本宗教学会
    • 発表場所
      皇學館大學
  • [学会発表] 記紀が描く罪と災害

    • 著者名/発表者名
      平藤喜久子
    • 学会等名
      日本宗教学会
    • 発表場所
      皇學館大學
  • [図書] 神の文化史事典2013

    • 著者名/発表者名
      松村一男、平藤喜久子、山田仁史編
    • 総ページ数
      593+56
    • 出版者
      白水社

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公開日: 2014-07-24  

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