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2012 年度 実施状況報告書

近世東アジアにおける新知識体系とその構築に関する思想文化史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23520093
研究機関弘前大学

研究代表者

李 梁  弘前大学, 人文学部, 教授 (20281909)

キーワード近世東アジア / 新知識体系 / 白鹿洞書院掲示 / イエズス会学事規程 / 伝統教養 / 書院 / 藩校 / 私塾
研究概要

昨年度は、それぞれアジア文化交渉学会第4回国際学術大会での「近世東アジアの新知識体系をめぐって」(2012年5月11日~13日、韓国高麗大学)、国際日本文化研究センター第44回国際研究集会での「『白鹿洞書院掲示』からみた近世東アジア「知」の空間ー『イエズス会学事規程』との比較においてー」(2010年11月13日~17日、京都・国際日本研究センター)、そして国際ワークショップ「近代東アジアの境界文化と長崎」での「イエズス会と東アジアー知識体系の変更を軸にー」という三本の口頭発表を行った。そして、一昨年度の東日本大震災のため、実施延期されたイエズス会南欧著名学校とその教育活動に関する文献史料および実地踏査の研究調査を行い、多くの関係文献史料に触れ、かつ撮影または複写することができたのみならず、また現地でしか得られない多くの貴重な実見、知見を得ることができた。なお、昨年度実行予定だったが、同じく前述の原因で延期されたマカオのセント・パウロ学院に関する史料および研究動向を調査するため、マカオ、香港および上海での研究調査を行った。こうした文献史料および実地調査によって、文献テキスト上で得られない多くの客観的な知見を得ることができた。そうしたことによって、当課題研究の更なる深化と展開のため、大きな弾みをつけたと言える。今年度の活字論文は、いずれも編集途上のため、まだ公刊されていないというのが、実状である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

前述のように、本課題研究スタートの初年度から東日本大震災という思わぬ出来事によって、研究タイムテーブルがかなりずれた。そのうえ、十巻本の新版『徐光啓全集』(朱維錚、李天綱主編、上海古籍出版社)の読み込み、分析に手間が掛かっていることもあって、昨年度の研究進捗状況は、交付申請書に記載された「研究の目的」の達成度からみれば、やや遅延気味である。今年度は、昨年度未完の徐光啓の西学思想と神学認識に関する論考を全力で纏めるとともに、とくに新井白石の漢学と西学思想への掘り下げを試み、次の洪太容による西学理解の研究のため、明確な知見をえて、確固たる土台を築くことにする。

今後の研究の推進方策

南欧でのイエズス会学校の実態および関連文献の調査に基づき、ローマ学院およびマカオサント・パウロ学院に関する考察を纏める。それから、近世東アジアの新知識体系問題、および徐光啓の西学と神学思想に関する論考を纏めて公刊する。
なお、今年度の九月中、洪太容に関する文献史料および最新研究動向を探るため、校費研究費との併用で、十日ほど韓国での研究調査を行う予定である。

次年度の研究費の使用計画

次年度は、主として洪太容の西学理解、および研究の総括を全力で行う予定である。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2012

すべて 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] イエズス会と東アジアー知識体系の変更を軸にー2012

    • 著者名/発表者名
      李 梁
    • 学会等名
      国際ワークショップ「近代東アジアの境界文化と長崎」(長崎大学重点研究課題「東アジア共生プロジェクト」
    • 発表場所
      長崎大学総合研究棟
    • 年月日
      20121215-20121217
    • 招待講演
  • [学会発表] 白鹿洞書院掲示からみた近世東アジア「知」の空間ー『イエズス会学事規程』との比較においてー2012

    • 著者名/発表者名
      李 梁
    • 学会等名
      国際日本文化研究センター・第44回国際研究集会「東アジアにおける知的交流ーキイ・コンセプトの再検討
    • 発表場所
      京都・国際日本文化研究センター
    • 年月日
      20121113-20121117
  • [学会発表] 近世東アジアの新知識体系をめぐって2012

    • 著者名/発表者名
      李 梁
    • 学会等名
      東アジア文化交渉学会第4回国際学術大会
    • 発表場所
      韓国高麗大学
    • 年月日
      20120511-20120513

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公開日: 2014-07-24  

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