研究実績の概要 |
今年度は、最終年度としてまず、二本の口頭研究発表を行いました。1.国際日本文化研究センター共同研究班[「心身/身心」と「環境」の哲学ー東アジアの伝統概念の再検討とその普遍化の試みー]26年度第一回研究会(日文研、平成26年5月10~11日)にて、「新井白石の漢学と西学ー朱子学的「合理主義」と真理概念の普遍化においてー」、そしてマカオ歴史学部、マカオ歴史文化研究会共催の「“澳門與海上絲綢之路”国際研討暨澳門歴史文化研究会第13届学術年会」(2014年9月21~24日、マカオ理工大学)にて、「耶蘇会與東亜ー関於新知識体系的諸問題」という発表を行いました。 なお、研究遂行の必要上、2014年、8月21日~23日の日程で、京都大学人文研客員教授として京都滞在中の近世東アジア思想史専門の台湾大学教授 徐興慶氏を本学に本科研費で招いて、本学の関係教員との研究座談など学術交流を行い、今後の研究合作についてじっくりと議論しました。それから、上述のマカオ学会参加のついでに、香港、広州に立ち寄り、香港城市大学の費楽仁(Prof.Lauren F.Pfister)教授、とくに広州中山大学の梅謙立(Prof.Thierry Meynard,S.I.)と面会し、出版されたばかりの彼の東西の深い学識による詳しい註釈の『天主実義今注』(北京商務印書館、2014年。同氏はほかに仏語訳版も手掛けた)の恵贈を受け、非常に充実した学術交流を行ったことは意義が大きいと言えます。 さらに、2014年3月17日~26日まで、他の研究プロジェクト経費の活用により、世界宗教史上の奇跡ともいわれた「信徒の発見」150周年にあたり、長崎をはじめ、島原半島、平戸などでのキリシタン関係史跡、各博物館、史料館などを見て回り、多くの知見と史料ないし刺激を得て、本科研の研究に大いに役立ったことは、特筆すべき営みだと言えましょう。
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