最終年度では、前年度までの実績をもとに、以下のことを行った。 前年度までに行った資料収集と分析、研究史の整理をもとに、17世紀日本における死生観の分析を行い、当該時期における死・死後観の類型化および立体的な把握を行った。なお、17世紀日本の死生観に関する研究成果については、本研究期間内には実現できなかったが、現在著書とし成果をまとめて発表する準備を進めている。これまでの死生観に関する研究を深化させ、本研究の成果をさらに発展させるために、近世日本における「死別体験」を視座とした分析を行った。 本研究の成果を国外に発信するために、17世紀日本における死生観と現代の介護・看取りの問題との接点を考えるシンポジウムを開催した(中国・西安外国語大学)。また関係する国際シンポジウム(中国・北京日本学研究センター)に参加し、日本と中国における介護と看取りの問題と伝統的死生観の関わりを考察する機会を持った。 前年度に引き続き、研究成果を国内で発信、また研究成果を検証するために、本年度は東京を中心に、医療・介護従事者、家族介護者とともに「介護と看取りの座談会」を開催し、現代日本の介護と看取りの現場における伝統的死生観のもつ有効性を検証した。 本研究の成果を国内外に発信するために、研究の趣旨、概要、研究成果、研究期間内に実施した「介護と看取りのフォーラム」の講演要旨をまとめた研究報告書を作成した。
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