研究課題/領域番号 |
23520106
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研究機関 | 国際基督教大学 |
研究代表者 |
小島 康敬 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (70101590)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 礼楽 / 音楽 / 儀礼 / 祭祀 / 儒教 / 釈奠 / 荻生徂徠 / ケン園 |
研究概要 |
平成23年度は主として海外機関にある文献資料や課題に関連する遺構を調査の対象とした。中国北京では北京大学、北京外国語大学、人民大学、南開大学、中国社会科学院、上海の同済大学、復旦大学を訪問し、図書・文献を閲覧調査した、また、天壇を訪れて、その地理的位置や建築構造から政治と儒教との緊密な関係性を感得した。さらに元・明・清三代の最高学府である国子監を訪問し、祭礼音楽の再現を見学した。韓国では嶺南大学、韓国国学振興院、ソウルの国立国楽院を訪れて調査した。嶺南大学では同大の博物館や民俗村を見学し、所蔵する貴重な資料や儒教の伝統的な家屋の遺構を撮影した。安東の国学振興院では李朝時代の書院関係の資料目録や図録を収集した。またそこでの国際フォーラムにおいて荻生徂徠の礼楽観について私の現段階での構想を報告した。更に李退渓の陶山書院を見学し、韓国の両班知識人における儒教文化の浸透度を深さについて認識をあらたにした。国立国楽院では儀礼・祭礼に使用する楽器の実物を観覧し、これらを資料として撮影した。またソウル郊外にある王陵を訪れ、祭祀の規模や遺構を調査した。中国・韓国でのこれまでの研究調査を通じて確認できたことは、儒教儀礼、儒教文化の両国における広がりと浸透度の深さである。それは日本のそれとは比べものならないとの印象をもった。国内では弘前市立図書館及び市立博物館を調査対象として、儒学者及び藩校関係の文献資料や画像資料を調査した。弘前藩では釈奠儀礼を一時的ではあるが実際に挙行しており、その資料を収集し、現在解読している段階である。また永青文庫を訪問し、細川家の所蔵目録を調査した。また、東日本国際大学を訪問し、同大学東洋思想研究所・儒教文化研究所の研究員と意見を交換し、今後の協力関係を確認した。更に湯島の聖堂を訪れ、その遺構や孔子祭を観覧した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
調査対象が当初予想していたより多く出てきた為。
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今後の研究の推進方策 |
国内の機関を調査対象として、遺構を調査し、関連資料を収集し、後半は資料の分析を遂行。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成23年度は招待講演に絡めての調査が多かったために、旅費と滞在費が大幅に節約でき、予算が消化しきれなかった。前年度分を今年度分に繰り越して、調査対象を更にひろげて調査を実施する。また今年度は収集した資料の整理・保存での予算の使用を計画している。
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