研究課題/領域番号 |
23520106
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研究機関 | 国際基督教大学 |
研究代表者 |
小島 康敬 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (70101590)
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キーワード | 礼楽 / 音楽 / 儀礼 / 祭祀 / 儒教 / 釈奠 / 荻生徂徠 / けん園 |
研究概要 |
平成24年度は、海外の調査対象としては韓国を主に実施した。7月にソウルでの「茶山生誕250周年を記念する国際シンポジウム」(丁茶山学術団体主催)に招待され、丁茶山と荻生徂徠の「礼楽思想」について比較思想の視点から講演した。また、参加者の河宇鳳教授(全北大学)らと、韓国における礼楽研究の現状について意見を交換した。8月には韓国大邱の嶺南大学で開催された「聖人・君子指導像のビジョンと限界」に関する国際シンポジウムに参加し、荻生徂徠の君子像を取り上げ、君子として身につけるべき教養としての礼楽について報告した。また大邱郊外の韓国楽器製造の店に行き、両班階級が教養として嗜む「大琴」と「短簫」を見学し、「伽耶琴」の製造者から韓国伝統楽器について説明を受けた。 中国では11月に北京外国語大学日本学研究センター主催の中日国交正常化40周年を記念して「日本研究の新展開」と題された国際シンポジウムに出席し、全体パネルディスカッションの司会を務め、日本思想史研究における現状について、コメントをした。 国内での調査としては6月に京都大学総合博物館所蔵の「けん園小集図」の絵画史料の分析にとりかかった。名古屋の蓬左文庫を調査し、徂徠の『琴学大意抄』をはじめとして、『釈奠儀』等々の必要文献の複写を入手した。また東日本国際大学における孔子祭(釈奠)での儀式に参列し、研究に資する為の写真を撮影した。またその後に開催された「東洋思想と現代文」と題されたシンポジウムでのコメンテーターを務めた。8月には国立歴史民俗博物館特別企画展示「紀州藩主徳川治宝と君子の楽」を視察し、関連資料と図録『楽器は語る』を入手した。11月には京都の私設雅楽器博物館の展示物を見学し、館長の山田英明氏から笙、篳篥、龍笛、能管等々の制作過程の貴重な説明を受けた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
資料の収集がはかどったため。
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今後の研究の推進方策 |
主に国内の機関を調査対象とし、関連資料を蒐集、その分析をする。
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次年度の研究費の使用計画 |
招待講演と兼ねての調査があったので、宿泊費が不要となり、未使用が生じた。次年度は調査旅費、資料の保存修復費、翻訳謝礼での使用を見込んでいる。
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