ジム・スパンカット氏、T.K.サバパシー氏など東南アジアの代表的な美術史家にインタビューし、その協力を得て貴重な関連資料を収集することができた。また、一次資料として、日本軍占領下に発行された邦字新聞、英字新聞、華字新聞に加え、現地発行の雑誌等を併せて読んで、美術関連資料を複写収集した。これらの資料により、これまでほとんどわかっていなかった東南アジア各国の日本軍政下における官設美術展をはじめとする美術活動について実態を把握することができた。さらに、そうした場で求められた「ローカルカラー」と独立後のナショナル・アイデンティティの関係について、東アジアの場合と比較しながら、考察を深めた。
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