研究概要 |
本研究課題の研究期間は三年間で計画されている。当該年度は三年計画の初年度にあたる。以下、当該年度における研究実績を、交付申請書に記載した「研究計画・方法」に沿って報告する。 一、文献収集と解読: 計画通り、レオナルドと彼以降の遠近法の展開を知るに有益な文献を選定、購入した。解読とノート作成も順調に消化し、次年度(計画二年目)の下地としている。 二、現地調査: 平成23年12月28日から平成24年1月5日にかけて、スペインにおける後期ルネサンスからバロックにかけての教会装飾(特に天井画)の撮影および資料収集をおこなった。特に、イタリアからルカ・ジョルダーノがスペインに招かれた後、現地で独自の発展がみられたものの、不思議なことにこれまでそれらを対象とした遠近法史的研究はほとんどなされていない。そのため、今回の調査によって、多くの教会装飾について、主題選択・作図段階・壁面投影段階の三段階の分析に利用可能な「天井画写真、画面配置・主題特定などの情報」を得ることができた。下記に取材対象の一部を列記するが、これらのほとんどが、これまで写真さえ我が国に入ってきていないものである。 Iglesia de San Antonio de los Alemanes, Las Calatravas, Nuestra Senora del Carmen y San Luis, San Cayetano, Parroquia de Santa Barbara, Real Basilica de San Francisco el Grande, San Andres (Capilla del Mismo Santo), Iglesia de San Martin
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