研究課題/領域番号 |
23520136
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研究機関 | 京都造形芸術大学 |
研究代表者 |
菅原 真弓 京都造形芸術大学, 芸術学部, 准教授 (10449556)
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キーワード | 浮世絵 / 木版画 / 明治 / 月岡芳年 / 豊原国周 |
研究概要 |
2013年度は、前年度に精力的に行った月岡芳年作品の調査を踏まえ、まず一編の論文を執筆した。これは現在予定している、月岡芳年の伝記研究、作品研究をまとめた著書のうちの一章を成す部分となる。「西南戦争錦絵という媒体(メディア)―月岡芳年作品を中心に」というタイトルで、同年11月に刊行された。予定している単著については、予定では2013年度中に書き上げることとしていたが、まだ調べるべきところ、確認すべき個所も残されており、現在、継続して執筆中である。また、美術全集に掲載される芳年作品の解説も担当させて頂くことができ、研究の視野に広がりを持った。 次に、本研究の一翼を担う画家である豊原国周についての研究を積極的に行った。基礎文献の収集と読み込み、作品調査などを行った。本務先であった京都造形芸術大学の附属博物館・芸術館の学芸員を兼務していたため、同館の展覧会業務としても研究を位置づけることができた。2014年1月には、同館の特別展「劇聖VS明治の写楽~豊原国周描く九代目市川団十郎」の企画を担当した。展覧会業務としての作品解説執筆などに加え、自ら展覧会カタログを企画、編集し、館蔵品カタログ『京都造形芸術大学所蔵(大江直吉浮世絵コレクション) 豊原国周「市川團十郎演藝百番」』を刊行した。またこれらの基礎研究を踏まえ、京都造形芸術大学紀要に「豊原国周研究序説」と題した論文を投稿した(入稿済み)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予定していた単著の執筆と、今後の研究方向を定めるべく企画している”近代における歌川派”研究の準備が遅れていることが不満点である。これは単著執筆の途上で、振り返って調べる必要が生じたり、といった事柄が多く発生しているのが一つの原因かと思われる。また、本研究テーマの一翼を担う画家とは言え、豊原国周についての調査を優先させてしまったことも原因であろうと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の最終年度となる2014年度は、まず確実に、予定していた単著『評伝 月岡芳年』の原稿を完成させる。各財団などへの出版助成申請なども視野に入れて、秋口までには仕上げる予定である。また”近代における歌川派研究のまとめ”にスムースに移行すべく、2013年度に手掛けた豊原国周研究をさらに推進する。
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