本研究は「日本19世紀版画史の再構築」(基盤研究(C)、平成19~22年度)の継続研究として実施したものである。研究蓄積が乏しいこの分野において、対象を当該時期の木版画(浮世絵版画)にしぼり、幕末明治期における日本の浮世絵版画および木版技術をもって制作された新聞、雑誌の挿絵の全貌を作品調査および関連資料調査を通じて明らかにすることを目的とした。 本研究における最も大きな研究成果は、明治の浮世絵師・月岡芳年(1839~92)の画業全般に関する論文や関連書籍などを刊行したことである。 しかしその一方で、これ以外の絵師や同時代動向への目配りが充分であったとは言えない。これが本研究の反省点となった。
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