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2013 年度 実績報告書

19世紀における「イタリア美術」概念の形成に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23520137
研究機関京都造形芸術大学

研究代表者

河上 眞理  京都造形芸術大学, 芸術学部, 准教授 (20411316)

キーワードイタリア美術 / イタリア美術史 / イタリア王国 / 19世紀 / 歴史画 / 美術アカデミー / フランス19世紀 / イギリス19世紀
研究概要

本研究は19世紀になってイタリア半島に初の統一国家であるイタリア王国が誕生することにともなって成立した「イタリア美術」という概念の形成過程を、絵画を中心として、遺産としての過去の美術の扱いと、同時代美術の動向との関係を通して明らかにしようとするものである。
研究最終年である平成25年度は当初の計画通り、イタリアでの補足調査を行い、イタリア王国政府の美術政策面から研究全体を纏めるべく、全調査結果をふまえて「イタリア美術」概念の形成に関する分析を進めた。その概要は以下のごとくである。
「イタリア美術」という概念が、イタリア王国内において形成されていくなかで、以下の三点を指摘できる。第一にイタリア美術史の編纂事業においてイタリア半島内における美術が振り返られ、その過程においてその独自性と世界への発進力が改めて認識されるようになったこと、第二は美術史編纂事業を通してイタリア国内における美術品の保護の充実が訴求され、この観点に基づく公私の美術館制度の整備がなされていったこと、第三は「イタリア美術」というブランド力の国際的な場面における効果が認識され、イタリア王国による美術外交という施策に展開していったことである。
さらに第三の点に関し、外交という国家間における交渉はイタリアからの発信のみならず、近隣国における「イタリア美術」という像の確認・受容が、イタリア国内における「イタリア美術」概念形成に大きく寄与したことを指摘できる。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 その他

すべて 学会発表 (4件) (うち招待講演 3件) 図書 (1件)

  • [学会発表] Kobu Bijutsu Gakko: Diplomazia dell’arte dal Regno d’Italia al Giappone Meiji

    • 著者名/発表者名
      Mari KAWAKAMI-SHIMIZU
    • 学会等名
      AISTUGIA(伊日文化研究会)
    • 発表場所
      ローマ日本文化会館(イタリア共和国ローマ市)
    • 招待講演
  • [学会発表] 国家間の美術外交と地域社会における美術の展開

    • 著者名/発表者名
      河上眞理
    • 学会等名
      明治美術学会
    • 発表場所
      徳島県立21世紀館(徳島県徳島市)
  • [学会発表] 辰野金吾と美術

    • 著者名/発表者名
      河上眞理
    • 学会等名
      京都工芸繊維大学大学院「伝統建築論」特別講義
    • 発表場所
      京都工芸繊維大学(京都府京都市)
    • 招待講演
  • [学会発表] 辰野金吾の欧州体験と「美術建築」

    • 著者名/発表者名
      河上眞理
    • 学会等名
      『辰野金吾』出版記念著者講演会
    • 発表場所
      佐賀県立佐賀城本丸歴史館(佐賀県佐賀市)
    • 招待講演
  • [図書] 辰野金吾2014

    • 著者名/発表者名
      清水重敦、河上眞理
    • 総ページ数
      110
    • 出版者
      佐賀県立佐賀城本丸歴史館

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公開日: 2015-05-28  

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