研究課題/領域番号 |
23520148
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
斉藤 泰嘉 筑波大学, 芸術系, 教授 (40282347)
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研究分担者 |
岡崎 昭夫 筑波大学, 芸術系, 教授 (80134253)
直江 俊雄 筑波大学, 芸術系, 准教授 (10272212)
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キーワード | 芸術支援 / 美術教育 / 地域文化 / 市民参加 / 地域協働 / 美術館 |
研究概要 |
本研究は、第三の美術展(コミュニティ型アートプロジェクト)の持つ地域教育力を促進する手法を開発することを目的としている。24年度の研究実績は以下の通りである。 ①芸術による地域教育に関するワークショップの開催・・・24年8月26日に、東京都美術館において、「ミューズに捧げる白い薔薇―巴里から来た男、エルマン・デルスニス」と題したワークショップを実施。東京都美術館の歴史を振り返るトークショーとミュージカルを組み合わせた教育普及プログラムとして、一般来館者にも開かれた形で事業を実施した。 ②第三の美術展による地域教育プログラムの実施・・・23年度から継続している茨城県水戸市におけるアートプロジェクト「放課後の学校クラブ」を実施。水戸市との協働事業として実施し、週1回のクラブ活動に加えて、地域の公園や駐車場などで一日限りの学校を開校した。24年12月2日には、学校教育、地域協働、アートプロジェクトの専門家を交えたシンポジウムを実施。また、24年度の新規事業として、東京都荒川区のNPO法人千住すみだ川によるアートプロジェクト「隅田川妖怪絵巻」の企画運営に参加している。 また、上記研究プロジェクトと並行して、24年12月に芸術支援研究会を発足し、教員と学生が定期的な研究交流の場を設けた。これまでに、月1回のペースで研究会を開催し、大学院生を中心に研究発表を行っている。芸術支援「学」の体系化を図る基盤の構築を目指す。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
第三の美術展(コミュニティ型アートプロジェクト)の実践研究については、「放課後の学校クラブ」の継続的な実施等を通じて、概ね達成しつつある。とりわけ、平成24年度は、水戸市との協働事業としてプロジェクトを実施することができたため、芸術活動の社会還元について新たな知見を得ることができた。また、東京都美術館の協力により、美術館でのプロジェクトを実施し、アートプロジェクトの手法を応用した教育普及活動の開発を試みることができた。
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今後の研究の推進方策 |
研究最終年度となる25年度は、以下の通り研究成果を取りまとめていく。 ①コミュニティ型アートプロジェクトの開発による地域教育力の開発・・・「放課後の学校クラブ」「隅田川妖怪絵巻」の実施を通して、アートプロジェクトを活用した地域教育力の開発の具体的な方法論を構築する。 ②成果報告書・・・25年度中に、芸術支援研究会の一環として、科学研究費研究課題に関連するシンポジウムを実施する。また、3年間の研究成果に基づき、研究成果報告書を作成する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度に繰越額が生じたのは、出張経費が見積額より安価に済んだため。平成25年度においては、瀬戸内国際芸術祭への調査旅費、アートプロジェクトに関する資料購入、非常勤職員人件費、研究成果報告書印刷等に関して使用する。
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