研究概要 |
「農閑工芸」の事例収集と分析、生産地域との人的交流を通じて、芸術の視点による地域資源の発見を試み、「農閑工芸」を活用した造形教育プログラムの構築を目的とした。主な成果発表は以下の通りである。①「un-secret base」TOKYO DESIGERS WEEK(以下、TDW), 2011年②「記憶の記録」筑波大学,2011年③「PLAY MEAL」会津・漆の芸術祭(招待),2012年④「地の食・地の器」喜多方・夢・アートプロジェクト(招待), 2013年⑤「つくばのほうき」TDW,2013年。①②では、「農閑工芸」の造形原理を探求する作品発表を行った。③④では、雄国竹細工の調査とワークショップを複数回行い、食具の制作に関する教育コンテンツを開発した。⑤においては、ホウキグサの種蒔きから刈り取り、道具から箒の制作までを実践的に行う教育内容を「つくばのほうき」としてまとめ、「TDW 2013」のASIA AWARDS「学校作品展」に出展し入選(国内外54校65チームの出展があり作品総数229作品の中8作品が入選)を果たした。 これまでの研究から、「農閑工芸」を現代に活用する方法論は明らかになった。それは、調査・分析・ワークショップ・実験制作を有機的に繋げる方法である。そこから汎用性の高い教育コンテンツが生まれた。それらを活用する造形教育プログラムを構築し、本研究の成果を含んだ「木材造形論」を2013年度に筑波大学において開講した。本研究の報告と成果はホームページで公開する。 また、本研究を社会へ還元する活動も行った。島根県地域づくりアドバイザーとして石見銀山周辺の竹林活用について農閑工芸の事例紹介とアドバイスを行った(2012年)。そして、講演「農閑工芸プロジェクト」(福島藝術計画×Art support Tohoku-Tokyoまでいの心プロジェクトII,2012年)を行った。
|