研究課題/領域番号 |
23520153
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
牧 陽一 埼玉大学, 教養学部, 教授 (40241921)
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キーワード | 現代アート / 中国 / 公民社会 |
研究概要 |
今年度も継続して中国現代アートにおける政治性に関する資料を収集し、ウェブなどで翻訳公開するとともに、論文を発表し、考察を深めた。4月には私費で、9月には研究補助を付けて北京調査を行った。関係資料を収集するとともに9月には再び艾未未、左小祖咒にインタビューを実施,記録することができた。ここでは政治的状況、市民社会の形成と現代アート作品、行動、発言との関係について具体的に訊くことができた。2010年から少しずつまとめてきた資料翻訳と論文を公民調査、芸術、建築、評論に分けて編集し、5月には本格的な艾未未研究の成果『艾未未読本』を刊行した。美術手帖、中国研究月報、週刊読書人、図書新聞、中国図書、みすず など各誌に書評や紹介が掲載され、現代アート関係者や社会に向けて一定の表出ができたものと思われる。またインタビューの内容はTBSニュースで特集放送され、社会的な影響も与えられたのではないかと考えられる。さらに現在日本公開が待たれるドキュメンタリーAiWeiwei: Never Sorryの字幕監修も担当した。これをきっかけに研究資料としても十分に活用が可能な映像に関する詳細な解読も始めることができた。インターネット上でも翻訳や解説、ツイッターでの情報交換など積極的に公開できた。関係書籍、資料の集中も順調である。中国現代アートにおける政治性に関し、艾未未、左小祖咒を通じて具体的に研究が進んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
成果の公表については当初の計画以上に進展している。書籍の刊行、論文の発表については研究活動してきた今までで最多の本数になっている。しかし、執筆に時間がかけられた分、資料の収集と整理は遅れており今後の課題である。
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今後の研究の推進方策 |
今後は従来の計画通り、書籍、雑誌、新聞などの紙媒体資料を収集するとともに、インターネット上の資料の踏襲も必要となってきた。ネット上の資料翻訳解説も変わらず継続するとともに、さらに詳細な調査を進め、研究の深化を図りたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
6万円余り繰り越すが最終年度は使用予定額が少ない上に、北京出張を計画中なのでここに充てる。また昨年から継続しているリプリント版の雑誌の購入もあり、紙媒体の資料の収集にも使用する予定である。
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