研究課題/領域番号 |
23520160
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研究機関 | 東京藝術大学 |
研究代表者 |
伊藤 有壱 東京藝術大学, 大学院映像研究科, 教授 (90516816)
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研究分担者 |
小町谷 圭 札幌大谷大学, 芸術学部, 講師 (90536905)
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キーワード | クレイアニメーション / 立体視映像 / ストップモーションアニメーション / パペットアニメーション / 立体アニメーション |
研究概要 |
「クレイアニメーションにおける立体映像の撮影手法」実在する立体物の動きを創出し、コマ撮りするアニメーション表現の総称を「ストップモーションアニメーション」という。1995年前後から、日本ではキャラクターが演技する短編アニメーション作品群が「クレイアニメ」という俗称で呼ばれる事が多いことから、本研究では「クレイアニメーション」を含めた人形タイプのアニメーションパペットを数種類用いることでやや広義の「パペットアニメーション」を立体視撮影し、異なる背景に組み合わせる事での視覚効果の差異を検証できる、基盤研究資料の作成を目的とした。立体視映像とストップモーションアニメーションの親和性は極めて高く、その進化はアニメーション表現の新しい領域開拓が期待できるものだが、双方の際立った特殊性から、商業プロジェクトなどで一過性の開発に留まってきた。本領域を目指す製作者、研究者への基盤、基礎資料となることを目指すものである。 本研究の趣旨は以下である。1:「立体アニメーション」の「立体視撮影」による効果の検証。2:いずれも特殊である「立体アニメーション」「立体視撮影」複合作業のフロー検証。3:スケールの違う背景とパペットの組み合わせによる視覚効果の検証。4:上記の為の左右視差を制御できる撮影台の開発と実用検証。5:資料映像と制作フロー記録を、同種研究の基盤資料とする。6:広く世界の立体アニメーション制作事情をリサーチしながら本研究の位置を照合、確認しながら進めてゆく。上記を実行しながら、学会発表への資料作成を進めてきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上記概要の主項目と照合しての回答。1:「立体アニメーション」の「立体視撮影」による効果の検証。→撮影完了。検証のための複数背景との合成作業中。2:いずれも特殊である「立体アニメーション」「立体視撮影」複合作業のフロー検証。→作業と同時進行で進行中。3:スケールの違う背景とパペットの組み合わせによる視覚効果の検証。→現在合成作業進行中。複数の背景ごとの色調調整等、予定作業量を大幅に越えた。4:上記の為の左右視差を制御できる撮影台の開発と実用検証。→完了。使用しながらの各種問題発生の解決記録をとっている。5:資料映像と制作フロー記録を、同種研究の基盤資料とする。→作成中。6:広く世界の立体アニメーション制作事情をリサーチしながら本研究の位置を照合、確認しながら進めてゆく。→調査完了。資料作成中。 学会発表への資料作成→進行中。
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今後の研究の推進方策 |
上記概要の主項目と照合しての回答。1:「立体アニメーション」の「立体視撮影」による効果の検証。→合成完了後、パレット状に検索できるフォーマットを作成。2:いずれも特殊である「立体アニメーション」「立体視撮影」複合作業のフロー検証→資料作成中。3:スケールの違う背景とパペットの組み合わせによる視覚効果の検証。→作業行程の膨大さから、公開資料としてこの分野の研究者に資料を公開してゆく。4:上記の為の左右視差を制御できる撮影台の開発と実用検証。→保管と使用後の課題を共有できるようにする。5:資料映像と制作フロー記録を、同種研究の基盤資料とする。→6月開催予定の日本アニメーション学会にて発表を予定。共通分野の研究者との連携、発展を目指す。
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次年度の研究費の使用計画 |
物理的事情による研究計画の延長に伴い、最終年度に予定されていた作業(主に映像完成作業。学会発表の準備)に出費時期がシフトしたため。 資料映像の仕上げ作業。日本アニメーション学会(2014年6月)での発表準備。発表後の最終資料作成。
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