本研究の目的は、身体史の観点から、エドワード・ゴードン・クレイグの「超マリオネット」の構想を、演劇改革、舞踊革命、人形劇ルネサンスという三つのパラダイム転換の接点として読み解くことであった。「超マリオネット」の構想に関連する資料の分析から、クレイグの構想が、特に20世紀初頭のドイツ語圏の身体文化や舞踊、人形劇と密接な関連を持つことが明らかになった。研究成果は、学術誌に論文として発表した。また、他の研究テーマと関連する形で、ヴァルター・ベンヤミンにおける人形的身体についての論考も執筆し、共著の論文集として出版することができた。また未公開資料も含む貴重な資料を入手し、今後の研究に生かす予定である。
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