研究課題/領域番号 |
23520165
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
茂登山 清文 名古屋大学, 情報科学研究科, 准教授 (10200346)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | ヴィジュアルリテラシー / ギャラリー / 視覚文化 |
研究概要 |
本年度は,二つの段階の研究をおこなった.第一段階として,欧米の大学等におけるヴィジュアルリテラシーの事例の調査である.アメリカ合衆国では,Richard Stockton College of New Jersey が主催校となって9月28日から10月1日に開催したIVLA(国際ヴィジュアルリテラシー協会)の年次大会に参加した.あわせて,「9.11」の10周年をテーマに開かれていた写真展,写真と風景との相互の影響として興味深い「High Line」計画についても調査した.また,香港で3月30日から4月1日に開催された国際会議「e-CASE」で研究発表をおこなった.あわせて香港大学の美術館についても調査した.第二段階として,文献による考察を進めた.内外の文献を集め,その幾つかについて精読した.特に,写真によるイメージと実空間との関係が,ヴィジュアルリテラシーにとって着眼すべき視点になるとの仮説から,写真論と風景論について考察を進めた.また欧米における先進的な研究成果として,Richard Howellsらによる "Using Visual Evidence" や,Olivier Asselin らによる "Precarious Visualities: New Perspectives on Identification in Contemporary Art and Visual Culture" などについても読み解き,多くの示唆を得た.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね順調だが,当初予定していたヨーロッパでの調査を会議開催のタイミングがあわなかったために,次年度におこなうことにした.その代わり,香港での会議で研究発表をおこない,あわせて調査もおこなった.
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今後の研究の推進方策 |
本年度の調査,文献考察等を通じて,ヴィジュアルリテラシーという大きなテーマのなかで,ひとつの具体的な研究課題として,イメージと実空間との相互関係性が浮上してきた.基礎的な考察を進めると同時に,より具体的なテーマ設定の鍵となると考えている.
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次年度の研究費の使用計画 |
研究費の使用計画に大きな変更はないが,費用的に可能であれば,ヨーロッパでの調査をおこないたいと考えている.特に英国オクスフォード大学ではヴィジュアルリテラシーの国際会議での発表も決まっており,前年度の調査を補いたいと考えている.
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