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2012 年度 実施状況報告書

長野県諏訪地方におけるラッパ文化の形成に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23520168
研究機関静岡文化芸術大学

研究代表者

奥中 康人  静岡文化芸術大学, 人文・社会学部, 准教授 (10448722)

キーワード音楽 / 楽器
研究概要

・昨年度からの継続調査として(研究実施計画の通り)長野県諏訪地方におけるラッパ吹奏大会(7月:岡谷市における諏訪地方におけるローカルな大会。8月:上田市における長野県消防ラッパ吹奏大会)の取材、調査。映像撮影。
・昨年度からの継続調査として、長野県内の図書館等における消防・ラッパ関係資料の収集。および昭和40~50年代にラッパ手をつとめていた消防団員OB、消防署員へのインタビュー調査(2月、岡谷市)。諏訪地方のラッパ文化にとって転換期ともいえる昭和50年代の情報について、当時のラッパ手の証言、当時の市町村広報等から、「ラッパ隊」という制度の成立や「吹奏大会」の成立に関して、具体的な実態の一端を明らかにすることができた。もっとも、インフォーマントの記憶の喪失、残存する史料の制限によって、不明な点も多く残っている。
・本年より、近代日本における金管楽器製造の歴史を主に雑誌『ミュージックトレード』『楽器商報』等の文献、国立国会図書館におけるデジタルライブラリー等によって調査を始める。そもそもこれまで日本における西洋楽器製造業史は、ピアノやバイオリンに偏り、管楽器についてはほとんど顧みられてこなかった。そこで、さまざまな雑誌等に散在している記事や当事者の回顧録等の情報を可能な限り総合し、明治~昭和期における金管楽器製造の歴史に焦点をあて、日本の金管楽器製造の観点から、ラッパの製造および普及をとらえることが可能となる。現時点では、日本管楽器、上野管楽器等、日本管楽器製造業の黎明期の情報を整理することができる基本的なデータを得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

インフォーマントへのインタビュー調査は、当人の記憶だけが頼りであるため、ひとえに記憶力に左右され、思い通りにはならないこともあるものの、それを織り込み済みのものとして勘案すれば、調査はおおむね順調である。また、岡谷市消防署の協力をえて、諏訪地方の他の消防署(消防団)へのネットワークづくりを見込むことが可能となった。

今後の研究の推進方策

例年通り、夏季に行われる「ラッパ吹奏大会」の調査を予定している。平成25年度は、諏訪地方の地方大会よりもさらにローカルな単位で行われる岡谷市の調査が含まれる(岡谷市消防署の協力を得る)。現時点では、もっとも先進的な取り組みが活発になされているエリアである。また、将来的に調査をすることになる諏訪地方の他地域(原村、富士見村等)の予備調査を始める。
文献調査は、昨年度からの継続課題として、主に文献をとおして、日本の金管楽器製造業におけるラッパについて調査を進める。
フィールドワークと文献調査とを総合的・有機的に組み合わせ、長野県における諏訪地方のラッパ文化の成立およびその経緯を明らかにする。
また、日本各地における民俗行事化したラッパ文化についても、並行調査を進める。

次年度の研究費の使用計画

調査地(諏訪地区、長野市等)への旅費、滞在費、撮影のためのビデオ機器、メディア、ハードディスク等。
また、消防組、消防団、ラッパにかんする書籍、史料。
歴史的音源(SPレコード)など。
国立国会図書館、都内音楽大学図書館等での資料調査にかかる旅費滞在費等。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 幕末鼓笛隊 土着化する西洋音楽2012

    • 著者名/発表者名
      奥中康人
    • 総ページ数
      254
    • 出版者
      大阪大学出版会

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公開日: 2014-07-24  

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