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2014 年度 実施状況報告書

長野県諏訪地方におけるラッパ文化の形成に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 23520168
研究機関静岡文化芸術大学

研究代表者

奥中 康人  静岡文化芸術大学, 文化政策学部, 准教授 (10448722)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2016-03-31
キーワード音楽 / 楽器 / 文化変容
研究実績の概要

継続調査を続けている長野県内各地の消防ラッパ吹奏大会の取材(茅野市における消防ラッパ吹奏大会、下諏訪町でおこなわれた諏訪消防協会主催消防ラッパ吹奏大会、大町市でおこなわれた長野県消防協会主催の消防ラッパ吹奏大会)と並行して、文献調査によって長野県(諏訪地方)における明治大正昭和期の消防ラッパ普及プロセスを追跡する作業に重点を置いた。
とりわけ県内図書館でおこなった『信濃毎日新聞』DBの閲覧調査は、新聞記事という制約からくる限界はあるものの、明治~昭和期の御柱祭の実態(祭礼の担い手としての消防組とラッパの存在)をある程度は明らかにすることができた。また、長野県内の市町村誌、消防団史、復刻された『大日本消防協会雑誌』の網羅的な調査と分析によって、長野県内の消防組における備品としての装備されるラッパや、演習時に鳴り響くラッパの記録を分類・整理している。
明治期における国産ラッパ製造についての調査は、近年になって整備された検索が容易になったデータベース資料から、従来の定説とは異なるいくつかの事実を確認するための手がかりを得た(ただし、断片的な情報があまりにも多く、明確な事実を特定するには時間を要する)。これまでの音楽史研究は、Bugleのような簡易な西洋楽器の普及プロセスを看過してきたが、明治~昭和期の消防組は(学校音楽教育には及ばないとしても)、全国的な西洋音楽(西洋楽器)伝播ルートとして考えることができると思われる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

消防団(消防組)という十数年単位で構成員が入れ替わる団体を対象としており、また当事者(元消防団員)の記憶も確かではないため、昭和後期に関することですら直接の証言を得ることは難しいが、過去の文献資料に依拠すること、および当該研究の対象とする諏訪地方以外の長野県内、あるいは県外事例を参照すること、また近年整備されたデータベース資料の活用により情報を補うことに成功しており、目的はおおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

継続して調査をしているラッパ吹奏大会の取材に伴って、茅野市、富士見町等の諏訪大社御柱祭(上社)に係わるラッパ隊の活動について調査を進めたい(6年に一度の御柱祭は実質的に2015年下半期より活動が始まるため、ラッパ隊も再編成されるとみられる)。
歴史的調査としては、これまでに収集した明治~昭和期に各市町村に消防組が設置されたプロセスのデータ、同時期以降の御柱祭への消防組の参入、および戦後に再興した消防団におけるラッパ隊の活動(とくに1970年代の消防広域化との関連)をそれぞれ突き合わせることを通して、ラッパ文化の形成の実態を明らかにする予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 和洋折衷音楽史2014

    • 著者名/発表者名
      奥中康人
    • 総ページ数
      250
    • 出版者
      春秋社

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公開日: 2016-05-27  

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