平成25年度は、24年度に引き続き文献調査と現地調査を行った。収集したコミックの資料の中で、マハーバーラタに焦点を当てつつ、物語の内容分析、コミックと人形劇上演との関連に関する検討、ジェンダー表象などの特徴についての考察を行った。これらの成果をふまえ、また平成25年3月(24年度の終わり)に行った現地調査の結果に基づき、論文「伝統芸能を次世代に伝え遺す―インドネシアにおけるNGO団体の取り組みから」(『大阪大学大学院人間科学研究科紀要』第40巻 2014年3月発行 71-91頁所収)を執筆した。現地調査の記録は長時間にわたる成果であったため、映像資料のダビングや編集を行い、現地のNGO団体ティカール・ブダヤとの資料の共有も行った。 また、コサシ氏のコミックの特徴であるジェンダー表象の変革という点についても考察を行い、その成果を、「インドネシアのコミックにみられるジェンダー表象」として2014年2月の国立民族学博物館共同研究会(「東南アジアのポピュラーカルチャー:アイデンティティ・国家・グローバル化」代表:福岡まどか)において発表した。物語の変遷とともに、コミックにみられる独自のジェンダー表象についても考察を行った
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