研究課題/領域番号 |
23520202
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研究機関 | 沖縄工業高等専門学校 |
研究代表者 |
澤井 万七美 沖縄工業高等専門学校, 総合科学科, 准教授 (60330726)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | 近代 |
研究概要 |
平成23年度における研究実績については、以下の通りである。(1)戦前の基礎資料の収集について:国立国会図書館を中心に調査活動を行った。国会図書館に所蔵されている琵琶愛好家のための雑誌『琵琶新聞』『水聲』の調査がメインとなった。その調査を通じて、他の機関紙や雑誌、新聞に掲載された記事の存在を窺い知ることができた。但し、機関紙・雑誌の中には所在不明のものも数多くあり、まずは所在・所蔵先を把握するこうした内部情報というものは貴重である反面、内部からの視点に限定されてしまうという瑕疵は避けがたい。一般紙の芸能欄の調査も並行して行っているが、今後はまだ手をつけていない「音楽関係」の資料の調査にも着手せねばならない。近代琵琶の理論には、西洋音楽をベースにしたものもある程度みられるためである。(2)実演家団体への聞き取り調査準備について:この件については、本研究の一つの柱「お伽琵琶」の演奏を継承している団体(在仙台)が、去る3月の東日本大震災で被災したため、連絡を控えた。今年度、知己のルートを通じてあらためてコンタクトを試みる。東京における子どもむけワークショップを行っている個人の弾奏家についても、接触を図っているところである。(3)研究成果の公開(論文・口頭発表)について:京都市立芸術大学の共同研究プロジェクト(後藤静夫主宰:「音楽・芸能史における芸術化の諸問題」研究会)の例会にて、「水也田呑洲の琵琶講談」について口頭発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成23年度については、秋頃まで体調不良のため、調査に発つ計画が大幅に後ろにずれ込んだことが最大の要因である。今年度も様子を見ながら、可能なかぎり遅れを取り戻したい。
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今後の研究の推進方策 |
今後、以下の通り研究を進めていく予定である。(1)戦前の基礎資料の収集について:引き続き、文献調査を行う。平成23年度中に把握できた他の機関紙や雑誌、新聞に掲載された記事の追跡調査、さらに西洋をも含めた音楽関係資料の調査にも着手する。(2)実演家団体への聞き取り調査準備について:前年度は叶わなかった、「お伽琵琶」の演奏を継承している団体コンタクトを試みる。東京における子どもむけワークショップを行っている個人の弾奏家についても、接触を図り、現場の状況のヒアリングを行う。(3)研究成果の公開(論文・口頭発表)について:子ども対象の琵琶の活動実態に関する論考を、口頭または論文にて発表する。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度の研究費は、以下の通り使用する計画である。(1)旅費:東京への調査、また実演家との接触状況によっては仙台への調査に使用する。190,000円の見込み。(2)その他:主に資料複写に使用する。10,000円の見込み。
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