研究課題/領域番号 |
23520202
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研究機関 | 沖縄工業高等専門学校 |
研究代表者 |
澤井 万七美 沖縄工業高等専門学校, 総合科学科, 准教授 (60330726)
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キーワード | 芸能 / 近代 / 琵琶 |
研究概要 |
2013年度は、前半に薩摩琵琶弾奏家である田中錦煌氏と直接面会しての聴き取り調査を行い、実演家ならではの貴重な情報を得ることができた。面会後にも同氏より文書での情報提供を頂いたことは、望外の喜びである。 また、現行の「お伽琵琶」のレパートリーについて、実演家団体のひとつ「一水会」に書面で問い合わせたところ、薩摩流で使用されている教本を御寄贈頂くなど、格別の御厚意に与った。もうひとつの大流派である筑前流とのコンタクトがまだ取れていないため、何らかの伝手をたどって聞き合わせを実施したいと考えている。 戦前の資料については、国立国会図書館所蔵のマイクロフィルムを中心に収集・分析を行ってきた。この他、音楽関係の資料を所蔵している諸機関(音楽大学、芸術関係団体等)においても調査をすべく情報収集を行っているところであり、今後の足掛かりにしたい。 この科学研究費補助金交付以前からの積み重ねを、『忘れられた演劇』(森話社、2014年5月刊行予定、神山彰ほか編著)の一章「琵琶劇とその周辺」において述べる機会に恵まれた。しかし、本研究において主眼としている“現代への継承”に関する考察を、公の場で十分に発表することがまだできていない。琵琶という芸能に接することができない状況ではあるが、これまでの調査その他で御厚意に与った関係各位とのコンタクトを継続しつつ、本研究で掲げた目標を達成するべく前進する所存である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2013年後半に予定していた研究発表を行うことができず、調査結果を公にするタイミングが2014年にずれ込んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度にあたるため、上に述べたような関係諸機関とのコンタクトを継続しながら資料収集に努める。さらに、研究会・学会等において、これまで収集してきた資料の紹介ならびに考察を行い、多くの方の御批正を仰ぎたい。最終的には、これらをささやかな形でも報告書という形にまとめることとする。
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次年度の研究費の使用計画 |
複写費において、必要な資料分の経費に余剰が生じたため。 今年度の調査において、複写に必要な経費として支出する。
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