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2012 年度 実施状況報告書

番付の統計解析結果を用いた相撲界の歴史的構造変遷の究明

研究課題

研究課題/領域番号 23520204
研究機関公益財団法人統計情報研究開発センター

研究代表者

坂部 裕美子  公益財団法人統計情報研究開発センター, その他部局等, 研究員 (50435822)

キーワード相撲 / 番付 / データベース / 統計分析
研究概要

本研究の目的は、相撲番付のデジタルデータ化、およびそれを統計解析した結果を使用した相撲界の歴史的な構造推移の観察である。
本研究では、幕内力士等の上位力士のみならず、下位の者も含む力士全体の動向に着目する。力士関連データは現在も整備中であるが、デジタルデータの整備完了後は、個々の力士についてデータを接続して、「番付上位到達率」や「平均現役活動期間」などを算出する。長期間データが完成すれば、これらの比率の時系列比較が可能になるため、相撲界の歴史的な構造的変遷が把握できる。
2012年度は、番付データのうち、初場所の番付(関取についてのみ)について、直近50年分の集計を行った。最初の試験的時系列集計ということもあり、相撲番付独自の特徴を描出するまでには至らなかったが、「長期データの比較結果」という観点から、これを研究者がこれまでに行ってきた「伝統芸能興行データ」の集計結果と比較して双方の時系列的な安定性について考察し、その結果を統計関連学会で報告した。さらに、この学会報告を論文にまとめ、近畿大学経営学部の研究紀要に寄稿した。
また、この集計を通じて、平成の入門力士の方が昭和期の力士よりも現役期間が長いようである、という傾向を新たに把握できた(回数上位に、近年まで現役を務めた力士が多い)。しかし、これは番付上位の一部の力士についてのみに見られる特徴である可能性も否定できず、これを断定するにはさらなるデータ分析が必要である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究は、研究者が以前から行っている「伝統芸能興行データ分析」の研究の拡張、という側面も持つが、研究者は現在、従前からの研究を博士論文として体系化・進展させる作業の途上にある。本研究の成果も論文中に含める計画であるが、2012年は博士論文本体の再構成により尽力したため、本研究単独の進捗状況としては、若干停滞気味である。

今後の研究の推進方策

2013年度前半には研究遅滞の主要因となっている論文作成が終了する予定であり、今秋以降は本研究を精力的に進める予定である。今後は、分析を行うのみでなく、基本資料の保存元である立命館大学と連携し、成果の広報についても計画に含めながら、作業を進めていきたい。

次年度の研究費の使用計画

研究の最終年度に該当するため、2013年の研究作業はデータの最終整備と研究成果の外部報告および広報を中心に進める。
具体的には、9月に開催される統計関連学会連合大会における研究報告のための旅費・資料代、11月~1月頃に立命館大学において開催を計画中の研究集会および展示企画の開催費・関係者旅費、研究報告書の作成経費、データ整備関連のソフト・メディア購入、その他研究関連の打ち合わせや研究集会への参加旅費・参加経費としての使用を計画している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 興行データベースから「古典芸能」の定義を考える2013

    • 著者名/発表者名
      坂部裕美子
    • 雑誌名

      『商経学叢』(近畿大学経営学部)

      巻: 59巻2号

  • [学会発表] 古典芸能興行における「保守」と「変革」の相克-興行データベース集計を通して「マンネリ」を考える-

    • 著者名/発表者名
      坂部裕美子
    • 学会等名
      2012年度統計関連学会連合大会
    • 発表場所
      北海道大学

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公開日: 2014-07-24  

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