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2013 年度 実績報告書

番付の統計解析結果を用いた相撲界の歴史的構造変遷の究明

研究課題

研究課題/領域番号 23520204
研究機関公益財団法人統計情報研究開発センター

研究代表者

坂部 裕美子  公益財団法人統計情報研究開発センター, その他部局等, 研究員 (50435822)

キーワード相撲 / 統計分析 / 伝統芸能
研究概要

・力士の現役期間はどのくらいなのか、明確にした集計はない。そこでまず、1981年~2000年入門者のうち既に引退した者について、現役期間を調べた。現役期間を「引退年-入門年+1」で算出した全平均は6.12年だが、大半は2年目までに辞めてしまっている。これは、相撲界は体格審査のみで入門でき、土俵に上がるまでに能力的な選別を一切受けていないことが原因と思われる。しかし、関取(十両以上)経験者に絞って現役年数のヒストグラムを描くと、平均値(14.64年)付近をピークとした、ほぼ正規分布に近い形となる。関取にまで登り詰めることのできる者同士は、相応の同質性を持っている、と考えられる。
・現役期間別に、現役期間中に到達できた最高の地位の構成比を確認すると、上記の「2年目」までで辞めた力士の大半は序の口止まりである(ちなみに、序の口は1場所で通過する者も多数存在する)。結果的に入門者中の圧倒的多数を占めているものと考えられる「そもそも相撲界が合っていなかった者」は、ほとんどが2年目までに序二段にさえも上がれずに現役を去っている、と考えられる。また、幕下以下の地位で20年以上現役を務める者も僅かながら存在するが、角界の最高峰を極めた横綱経験者の現役期間は、最長で16年である。
・相撲番付は、これまでに筆者が分析対象としてきた「興行データ」が毎年度の動向に関する「動的データ」であるのに対し、独自ルールのもとに各演者を格付けした「静的データ」であると言え、従来とは異なる分析視角が必要であった。しかし、現段階では、そういった特性を勘案した十分な考察を加えることができたとは言い難く、例えば、同一人についての番付上の地位と星取の関連の時系列的な比較(番付上位まで上る者と限界に突き当たる者の、番付下位時代の星取傾向の違いの観測)等、計画しながら分析まで至らないものが残ってしまったことは、反省点として挙げられる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 興行データベースから「古典芸能」の定義を考える2013

    • 著者名/発表者名
      坂部裕美子
    • 雑誌名

      『商経学叢』近畿大学商経学会

      巻: 第59巻第2号 ページ: 15-29

  • [学会発表] 「伝統芸能」の定義の再確認

    • 著者名/発表者名
      坂部裕美子
    • 学会等名
      文化経済学会<日本>
    • 発表場所
      東京大学 本郷キャンパス
  • [学会発表] 各種興行における「勝ち上がり」の観察とその効用

    • 著者名/発表者名
      坂部裕美子
    • 学会等名
      統計関連学会連合大会
    • 発表場所
      大阪大学 豊中キャンパス

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公開日: 2015-05-28  

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