研究課題/領域番号 |
23520209
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
安藤 宏 東京大学, 人文社会系研究科, 教授 (30193113)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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キーワード | 近代文学 / 雑誌 / メディア / 疎開 |
研究概要 |
これまで構築してきた近代雑誌データベースへのデータ入力補充を中心に作業を行った。『文芸年鑑』に関しては、昭和33年から39年までのデータを入力した。これにより、大正12年から昭和39年までに刊行された文学雑誌を、さまざまな形で検索することが可能となった。また、『日本近代文学大事典』第5巻(新聞・雑誌)のDBをあらたに立ち上げた。このDBは、従来のDBの部分集合の形をとっているので、将来相互を統合したときに、これまでのデータにあらたに事典の記述を補い、またデータの誤りの補正をはかることが可能となる。研究補助者と打ち合わせを行い、誌名、刊行期間、発行所、編集者、主要同人、主な執筆者なとの項目、入力方式を確定し、「カ」行まで、入力作業を終えることができた。 東京大学大学院人文社会系研究科多分野交流演習において、本科研の調査をもとに、第二次大戦後の文学雑誌の問題点について研究発表を行った。地方の「疎開文学」の実態について調査を行い、従来の「中央」中心の文学観を見直していく必要について、問題提起を行った。 地方の公共機関の雑誌収蔵状況については、本年度は大阪府茨城市立川端康成記念館、大阪府立中央図書館、国際児童文学館の調査を行った。現在の文学館活動が構造的に抱えている問題点について取材を行うことができた。 平成24年3月に学位申請論文『近代小説の表現機構』を刊行したが、本研究課題のこれまでの調査の成果を生かすことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
東日本大震災の影響により作業が遅れ、実質的な開始が8月になってしまったが、『文芸年鑑』に関しては目標の昭和40年まであとわずかにせまり、また、あらたに『日本近代文学大事典』の入力作業を軌道に乗せることができた。全体として、想定していた目標に到達することができたものと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
24年度以降は、『近代文学大事典』のデータ入力を中心に作業を進めていく。また、データベース統合に関して、専門家の助言を受けること、ノートPCのメンテナンスを行うこと、地方の雑誌資料の収蔵状況の調査を行うことを予定している。
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次年度の研究費の使用計画 |
『日本近代文学大事典』のデータ入力に力を入れるので、謝金の費目に予算の重点を置いている。また、このほかに、関係資料の購入、地方の文学館等の資料調査に関して予算を使用する予定である。
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