本研究では、日露戦争後(1905)から大正初期(1913)に発刊された明治期を代表する女性投稿雑誌「女子文壇」を中心として、「青鞜」や「女学世界」、「婦人界」など同時代の女性雑誌や「スバル」や「歌舞伎」などの文芸雑誌とどのように関係していたか、特に「労働」という視座を設定して比較調査を行った。 第1の目的は、「女子文壇」や同時代の諸雑誌の言説を「労働」の視点から調査研究することで、明治末期から大正期の職業・女性問題の一端を明らかにすることであった。第2の目的は、とりわけ明治の終期から大正にかけての雑誌相互の影響関係が雑誌文化の形成にいかなる関与をしていたかを解明することであった。
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