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2012 年度 実施状況報告書

本居宣長の国学の受容と国文学の成立に関する総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 23520221
研究機関神戸大学

研究代表者

田中 康二  神戸大学, その他の研究科, 准教授 (90269647)

キーワード本居宣長 / 国学 / 国文学 / 古今集遠鏡 / 美濃の家づと / 古事記伝
研究概要

24年度は前年度までに収集した文献資料に基づいて、本居宣長の国文学作品についての注釈書が同時代、ならびに後の時代にいかに享受されたかということを整理し、本格的に分析することを目指した。具体的には『古今集遠鏡』(寛政9年刊)、『新古今集美濃の家づと』(寛政7年刊)、『古事記伝』(寛政10年擱筆)という寛政年間に成立した注釈書について、調査した結果をまとめ、活字化した。『古今集遠鏡』では剽窃問題をはらむ尾崎雅嘉『古今和歌集雛言』を筆頭にして、山崎美成『頭書古今和歌集遠鏡』や中村知至『古今和歌集遠鏡補正』などが出版され、盛んに『遠鏡』が俎上に載った。また、『新古今集美濃の家づと』は、最も大部なものは石原正明『尾張廼家苞』であるが、それ以外にも村田春海や荒木田久老による批判もある。『尾張廼家苞』出版後は両「家苞」比較論が盛んになった。最後に『古事記伝』については、富士谷御杖『古事記灯』が最も早いが、平田篤胤『古史伝』『古史成文』や橘守部『難古事記伝』なども、『古事記伝』の業績を受け継ぎながら、総力で批判するという内容である。それらは『古事記伝』における古事記観は激しく批判しながらも、それを乗り越える意識がある。
24年度の文献調査は『玉あられ』の享受史に関するものを中心に行った。また、文学研究法については、俗語訳・本文批判について調査・収集し、25年度にこれをまとめるために、それらの整理・分析を行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

5年計画の2年目に当たる24年度は三本の学術論文を発表し、三本の論文執筆の材料についてデータを収集した。それは研究全体の進捗から見て、妥当な進度であると判断される。

今後の研究の推進方策

25年度も前年度と同様に、本居宣長の著作の享受史に関する調査を行い、これをまとめることを目指す。また、文学研究法の成立に宣長がいかに関わったか、という観点から調査を進めることとする。

次年度の研究費の使用計画

文献資料の調査・収集のために東京への出張旅費と、これを整理・分析するためのデータ収集のために調査謝金を項目立てする。その他は軽微な消耗品の購入費とする。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] 『美濃の家づと』受容史2013

    • 著者名/発表者名
      田中康二
    • 雑誌名

      日本文芸研究

      巻: 64-2 ページ: 1-46

  • [雑誌論文] 『古事記伝』受容史2013

    • 著者名/発表者名
      田中康二
    • 雑誌名

      神戸大学文学部紀要

      巻: 40 ページ: 1-35

  • [雑誌論文] 『古今集遠鏡』受容史2012

    • 著者名/発表者名
      田中康二
    • 雑誌名

      日本文芸研究

      巻: 64-1 ページ: 1-43

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公開日: 2014-07-24  

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