本研究は5年間の研究成果として、平成27年12月25日にぺりかん社より『本居宣長の国文学』を出版した。当該書はまず宣長の著作、『古事記伝』『古今集遠鏡』『新古今集美濃の家づと』『源氏物語玉の小櫛』『玉あられ』が同時代および後世にいかに受け止められ、継承されたかという点を追究した。次に、国文学研究史上における宣長の役割として、本文批判・俗語訳・文学史・「物のあはれを知る」説・係り結びの法則という方法を確立する過程を追究した。そして、日本文学の研究は、古代中世の歌学を発端として、近世の国学を転機とし、近代の国文学研究につながっていくことを立証した。
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