歴史物語の主要作品を『栄花物語』や四鏡とする通識に根拠はないので,「物語体で表現される通史的歴史叙述」と広義に捉え直し,主題・構想・歴史観・継承関係・享受史に留意して次のように4分類し,歴史物語全史を再編成した。 ①世継三作(王朝歴史物語):『栄花物語』『大鏡』『今鏡』,〔散逸『弥世継』〕→②中世歴史物語1:『水鏡』『秋津島物語』『六代勝事記』『五代帝王物語』,類縁作品『無名草子』『唐鏡』など,〔散逸推定『続代系記』〕→③中世歴史物語2:『梅松論』『保暦間記』『神明鏡』『神皇正統録』,類縁作品『源威集』。→④増鏡系歴史物語:『増鏡』『池の藻屑』『月のゆくへ』,〔散逸推定『弥増鏡』『続増鏡』〕
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