研究課題/領域番号 |
23520241
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研究機関 | 國學院大學 |
研究代表者 |
豊島 秀範 國學院大學, 文学部, 教授 (90133272)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 源氏物語 / 河内本 / 平瀬本 / 七毫源氏 / 岩国市吉川家本 |
研究概要 |
平成23年度は、「源氏物語諸伝本の再検討を通して新提言へ」の研究テーマのもと、(1)『源氏物語』の巻ごとに主要本文13~15本を翻刻し、対校一覧を作成してデータ化する、(2)そのデータに基づき、各研究員が研究会で研究を発表し、それを年度末(平成23年3月)発行の『研究報告書』に掲載して公開する、という形で23年度の研究を進めた。 (1)では「桐壺」(13本)、「蓬生」(15本)、「関屋」(14本)の、主要伝本の翻刻と、その対校一覧を作成してデータベース化の処理を行ない、公開可能な状況に仕上げた。これは、平成19~22年度の「基盤研究A」での「花散里」「野分」柏木」「早蕨」の対校一覧とデータベース化の作業を引き継ぐものである。(2)では、平成23年12月24日の共同研究会(於國學院大學)で発表し、質疑応答を経た以下の論文を年度末に発行した『研究報告書』に掲載した。豊島秀範「「吉川家本」(毛利家伝来本・大内家伝来本)と「平瀬家本」の本文の特徴─「蓬生」「関屋」を中心に─」、渋谷栄一「明融臨模本「花宴」帖の親本の性格について」、田坂憲二「『紫明抄』校異の試み」、上野英子「青表紙本の行方─『仙源抄』所引定家自筆本の本文をめぐる分析─」、中村一夫「早蕨巻の語彙」、上原作和「東海大学桃園文庫蔵吉見正頼旧蔵本「浮舟」巻調査報告」。なお、「基盤研究A」の4年間の研究を検証するために、「源氏物語本文研究の現状と課題」と題して座談会を豊島秀範(司会)・伊藤鉄也・渋谷栄一・田坂憲二・中村一夫が参加して行ない、『國學院雑誌』(國學院大學)平成23年2月号(第113巻第2号)に掲載した。これは、平成23年から25年まで継続する「基盤研究C」の研究方向を見定めるためにも必要な現状分析と課題の確認の場でもあった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該課題の研究期間は23年度から3年間であるが、その目的は以下の通りである。1.「平瀬家本」の翻刻本文の確認と、テキスト版の作成。2.「七毫源氏」の翻刻本文の確認と整理。3.「吉川家本」の翻刻本文の確認と整理。4.定家本を初めとする主な青表紙本、尾州家本を初めとする主な河内本、および上記の翻刻本文を合わせた約10本ほどによる、本文の対校一覧を、巻ごとに作成する。5.一覧の完成した対校本文を、巻ごとにデータ化する。 上記の1.2.3は、「研究実績の概要」に記したように、合同研究会で各研究者が発表し、検討を加えた上で、年度末の研究報告書『源氏物語本文のデータ化と新提言 1』に公表した。また、上記の4.5は、「研究実績の概要」に述べたように、「桐壺」(13本)、「蓬生」(15本)、「関屋」(14本)と、3巻について、収容本文の対校一覧を作成して報告書に掲載し、さらに、データベース化して公開する準備を整えてある。 以上のように、平成23年度の研究成果は、ほぼ計画の方向に即して進めることができた。
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今後の研究の推進方策 |
24年度以降の研究の方向も、23年度と同様に、 (1)巻ごとに『源氏物語』主要本文の翻刻と、それに基づいた対校一覧の作成と、そのデータベース化を進める。 (2)合わせて、研究員各自が、それぞれ研究テーマとしている本文についての研究を進め、その成果を合同研究発表会で発表し、それを年度末の報告書に掲載して公開する形で、進めて行く。 (3)上記の(1)・(2)の成果を総合する形で、『源氏物語』本文に関わる新たな提言を目指している。
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次年度の研究費の使用計画 |
23年度の研究費の範囲で、(1)研究の基礎となる本文の翻刻などに関わる謝金など50%、(2)報告書の作成費に25%、(3)本文対校一覧のデータベース化の費用に25%を、それぞれ予定している。
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