四国地域では特に愛媛に多くの俳書が残されている。これらについては、かつては地元の研究者が翻刻や紹介、保存状況に務めてきたが、近年は保存について危機的状況にあると言わざるを得ない。その現状に対して、科研で行うことができた成果は、研究発表とシンポジウム開催である。 研究論文は、『平賀源内の研究 大坂篇』を刊行し、伊予松山の俳人、栗田樗堂について煎茶や上方文人との関係を整理した。 シンポジウムは、松木淡々や山中時風を軸に、開催した。ついで、樗堂についての鼎談を実施した。また、フィリピン大学の国際会議で高浜虚子を中心とした「松山の能楽」について報告した。
|