影印本として刊行した石川県立図書館蔵川口文庫善本叢書2『和漢朗詠集私注・文筆問答鈔』(柳澤良一編・勉誠出版、2010年)のそれぞれの作品について、翻刻と校本の作成及びそれらについてのコメントを付した。 『和漢朗詠集私注』は、『和漢朗詠集』のみならず『新撰朗詠集』の注釈の上でも大いに参考にすることができた。また、『文筆問答鈔』は、平安時代中期の漢詩集『本朝麗藻』の解読にたいへん役立つことが明らかになった。例えば、句題詩や詩序の読み方を説く内容は、これまでの『本朝麗藻』の解釈を一変させるものとなった。
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