研究課題/領域番号 |
23520256
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研究機関 | 椙山女学園大学 |
研究代表者 |
飯塚 恵理人 椙山女学園大学, 文化情報学部, 教授 (00232132)
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研究分担者 |
三木 邦弘 椙山女学園大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (80174001)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | 能楽 / データベース / SPレコード / デジタル化 / 東海地域 / 伝統芸能 / アーカイブ / ホームページ |
研究概要 |
「平成20年度・21年度に東海地域で行われた能楽番組を収集・整理して入力し、研究室ホームページ恵理人の小屋の「東海地域能楽番組データベース」(三木邦弘プログラム作成)より配信する。」は番組の整理は出来たものの入力は出来なかった。・「和泉流狂言方佐藤友彦師所蔵のワキ方高安流伝書等を撮影する。」は佐藤友彦師所蔵の西村敬元の伝書を写したと奥書のあるワキ方の「狂言応答」の本を撮影し、鶴舞古文書会会員のアルバイトを雇用して上記資料を翻刻した。・明治・戦前の謡曲SPレコード、昭和30年代のオープンリール謡曲録音を収集しデジタル化する。著作権の消滅した音源については随時研究室ホームページ「恵理人の小屋」より配信した・愛知県史近代編資料編12年3月刊行の「能楽」の部分の調査員を11年5月より担当した。明治初年には旧藩の御用商人や庄屋・地主など「旦那衆」が能の愛好者の大半だが、大正を境に高学歴で高給を取る医師・会社員・公務員などの知識人階級に愛好者がシフトしてゆく、それぞれの区切りとなるような特記すべき催しや資料・新聞記事については収載することができた。・リーマンショック以降の不況と能楽愛好者の高齢化、主婦のパートの増加により能の稽古人口はかなり減っている。稽古している愛好者にチケットを販売して催しを行うことは難しくなった。一方稽古していないが、「古典劇」の観客として能を観る人は増えており、名古屋能楽堂の定例能の観客は7割以上が稽古をしていない人である。このような新たな「観客」向けに、東京の野村萬斎や観世喜正、京都の茂山千五郎や片山九郎右衛門が興行として少人数の能楽師によるワークショップを伴った能を行うようになった。観世喜正師の「のうのう能」などは、能を稽古していない初心者向けの催しとして非常に成功しているので、記録保存のため、契約カメラマンを依頼して撮影し、教材用のDVDを作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成20・21年度の能楽番組が整理は済んでいるものの、熟練していた学生アルバイトの卒業で入力が出来ていないなどの点はあるが、新城・豊橋の資料や岡崎の大正期の岡崎観世会や知立の池水会の資料などこの地域の近世・近代の能楽資料が当初期待以上に順調に収集できており、整理も進んでいるため。
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今後の研究の推進方策 |
基本的に当初計画通りに進める。佐藤友彦師・藤田六郎兵衛師などから提供頂いた資料については一部を紀要・愛知県史研究等に投稿して公開したい。
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次年度の研究費の使用計画 |
基本的に申請書の24年度に記したとおりだが、津の喜多流シテ方長田驍師より大量の戦前の謡曲・囃子SPレコード・オープンリールを頂いたのでその整理やデジタル化も今年度予算で行いたい。また戦後直後から現在までの東海地域能楽界をジャーナリストとして支えた加野昭二郎氏や能楽師の前記長田氏、佐藤友彦師の聞き書きも行いたい加野氏は80代、長田師・佐藤師ともに70代なので急いで行う必要がある。このため消耗品費等を減額し、謝金に用いたい。
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