研究課題/領域番号 |
23520263
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研究機関 | 四天王寺大学 |
研究代表者 |
田島 智子 四天王寺大学, 人文社会学部, 教授 (80268474)
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キーワード | 歴史資料の美術関連記述 / 文学に関わる画像 / 州浜 |
研究概要 |
(1)文献の収集整理について…前年度に引き続き、新たに300項目をエクセルでコンピューター入力した。作品名は次のとおり。【故実書】大内裏図考証(上)(前年度の残り)・大内裏図考証(下)【歴史】明月記(建久元年~寛喜元年) 『大内裏図考証』は広く絵画関係の資料を収集した故実書であり、本研究者がこれまで見落としてきた資料を示してくれていた点で、非常に有益であった。『明月記』では、とくに「藤原俊成九十賀屏風」「最勝四天王院名所障子和歌」関連の記事を収集整理することができたことが収穫であった。 (2)美術作品の収集整理について…前年度に引き続き、図書を中心に、屏風歌の題材となった絵に近い画像や、文学と美術の相互関係を知る上で有用な画像を調査した。画像を取り込んだ作品名は次のとおり。【絵画資料】『源氏物語絵巻』『寝覚物語絵巻』の見落としていた箇所。また、画像加工ソフト「フォトショップ」の操作法をインストラクターの指導の下で習得した。それによって、取り込んだ画像を合成することや、画像に文字情報を加えることなどが可能になった。 (3)先行研究の調査取集について…「州浜」は、屏風絵の風景・歌合の風流の作り物・意匠などにしばしば用いられた重要な題材である。今年度はとくに「州浜」に着目し、選考文献を入手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
体調不良…平成26年1月から3月にかけて、立て続けに2種類の病気を発症。治療に専念した。2月3月は1年のうちでもっとも研究に打ち込める時期である。この時期に研究を進められなかったため、遅れが生じた。現在は完治し、支障なく研究に取り組んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
(1)文献資料の整理…歴史資料の収集と入力を今年度中に終わらせる。そして、文学作品資料のデータと統合し、利用しやすい形に整理しなおす。 (2)美術作品の画像の取り込み…主要な作品から、文学に関連する題材の画像について、取り込みを終える。すなわち、①絵巻物、②大和絵屏風、③正倉院御物である。 (3)取り込んだ画像データの整理…ある程度取り込みが進んだ段階で、画像データを利用しやすいように、加工・整理する。その際には画像加工ソフトであるフォトショップを用いる。 (4)美術作品の写真を掲載している書籍の入手…平安期の文学と美術の関係を示す美術作品について、写真を掲載している書籍を集めつつある。しかし、いまだ官憲に入っていない図書があると思われるので、先行研究を参考にしながら、入手に努める。 以上のうち、もっとも遅れているのは(2)である。今年度は(2)を集中して行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
(1)図書購入の遅れ…必要な図書の選定に手間取り、購入が遅れている。とくに、写真が掲載されている美術関連の図書が、入手しきれていない。 (2)コンピューター周辺機器購入の遅れ…画像データが大量になることが予想され、その保存や整理にコンピューター周辺機器の購入を予定していた。しかし、画像の取り込みが大幅に遅れているため、周辺機器の購入に至っていない。 (1)図書購入…先行研究を参考にして、本研究に有効な図書の選定を急ぐ。 (2)コンピューター周辺機器の購入…今年度は、画像の取り込みにもっとも重点を置く。大量のデータに対応するための周辺機器をそろえる。 (3)研究協力者の雇用…目下、文献資料のデータ入力のために、研究協力者を一人、継続的に雇用しており、本年度も継続する。さらに、画像のデータ入力についても、スピード化をはかるため、別の研究協力者を新たに雇用する。新たな研究協力者としては、本研究者が所属する日本学科の在学生を当て、本研究者の監督指導の下、作業に従事してもらう。
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