本研究では、文献と絵画の調査を行った。文献については、主として平安・鎌倉期の歴史資料と文学作品を対象に、絵画に関する記述を抜き出して整理した。絵画については、主として現存する絵巻・屏風絵・障子絵を対象に、屏風歌などの文献の説明と似通う絵を、抜き出して整理した。 とくに、絵画を広く調査したことにより、平安期の屏風絵の構図とかなり近いものを見出すことができた。それを参考に絵と歌の関係を再考した結果、たとえば「網代」について、その典型的な光景が、絵と歌の相互作用により形成されていったことを明らかにした。
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