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2012 年度 実施状況報告書

中世歌題集成書類の生成と展開

研究課題

研究課題/領域番号 23520265
研究機関神戸女学院大学

研究代表者

藏中 さやか  神戸女学院大学, 文学部, 教授 (80309426)

キーワード国文学 / 中世文学 / 和歌文学 / 歌題集成書 / 題詠 / 組題 / 近世文学
研究概要

研究2年次にあたる本年度は、前年度から引き続いて、関連資料の収集とフルテキストデータ化及び作成データの確認作業をおこなうとともに、歌題集成書の展開に注目した研究に着手した。
新たに西尾市岩瀬図書館に蔵される歌題集成資料の複写物を入手し、その内容について精査するとともに一部のデータ化を実行し、比較研究に使用できる形に整える作業に入った。
また特に、本年度は尾崎雅嘉編纂の歌題集成書である増補和歌明題部類に着目し、これを、歌題集成書の展開ととらえ、近世に活用された歌題集成書の一型と位置づけた。これに関わって、静嘉堂文庫にて尾崎雅嘉に関する資料を閲覧した。また合わせて尾崎雅嘉研究という立場から、類題集である類題證歌集と広類題との関係についても考究した。
増補和歌明題部類については、先行する明題部類抄との比較を行ったが、その内容が、単に明題部類抄を増補したようなものではなく、独自性にあふれるものであることを検証した。並行して、これまでに重ねてきた増補和歌明題部類の本文データの整備を完了した。整備の際には、資料として使える形とするために、通し番号を付す、用字を統一する等の手を加えた。
上記の翻刻本文に、先の成果を解説として付す形で1書にまとめ、『尾崎雅嘉 増補和歌明題部類-翻刻と解説-』(青簡舎)として刊行し、ここまでの研究の成果を広く公開し、研究に使用できる形で提供した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

研究3年次に行う予定であった歌題集成書の近世における展開に関する研究の一部を前倒しで行う形となったが、順調に進展している。2年次に実施する予定であった歌題集成書類のグルーピングについては、3年次にあたる次年度に行いたい。

今後の研究の推進方策

歌題集成書類のグルーピングを進める。具体的には、〈明題〉という語を書名に含む一群に着目する、特定の組題を含む歌題集成書のみをピックアップする、等の方法を考えている。これにより、これまで不明であった個々の資料の関係性が浮かび上がることが期待される。
また歌道家がどのように歌題集成書を用いていたのかを、実態に即して考えていきたい。従来、出題手引書としてのみ位置づけられてきた歌題集成書の異なる側面について考証する予定である。

次年度の研究費の使用計画

研究内容は3年次予定の一部を遂行中となり、2年次予定の内容を3年次に実施することになるが、研究費目自体はこれまでと特に変わらない。当初の計画通り進行する予定である。
伝本調査のための旅費と文献複写費、書籍購入費がその中心となる。場合によってはデータ入力作業の委託を予定している。ただし、その場合は、喫緊に必要なものに留め、極力、自身での作業を行う予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 図書 (1件)

  • [図書] 尾崎雅嘉 増補和歌明題部類-翻刻と解説-2013

    • 著者名/発表者名
      藏中さやか
    • 総ページ数
      355頁
    • 出版者
      青簡舎

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公開日: 2014-07-24  

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