研究課題/領域番号 |
23520267
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研究機関 | 聖徳大学短期大学部 |
研究代表者 |
正道寺 康子 聖徳大学短期大学部, 総合文化学科, 准教授 (70320702)
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研究分担者 |
原 豊二 米子工業高等専門学校, 一般科目, 准教授 (50311064)
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キーワード | 音楽説話 / 古代日本文学 / 古琴曲 / データベース / 国際研究者交流 / 中国 |
研究概要 |
平成23年度に日本大学文理学部図書館所蔵『平津館叢書・蔡ヨウ〔巛+口+巴〕撰・琴操』(「原刻景印・百部叢書集成」嚴一萍選輯・藝文印書館印行)の翻刻をしたが、平成24年度はそれを書き下し文にした(制作:正道寺康子・原豊二・岡部明日香・笹生美貴子・佐藤信一・西口あや)。『琴操』全文の書き下し文は本邦初であり、インターネット上で簡単に見られるようにした( http://www.geocities.co.jp/Berkeley/5649/ )。 古代中国音楽の研究のため、平成24年8月10日~14日に中国・北京に出張し、中国国家博物館・故宮博物院・古書店等で資料収集を行った。さらには、8月11日に中国清華大学にて研究発表をし、劉暁峰教授・雋雪艶教授等、中国側の研究者と意見交換を行った(研究発表:正道寺康子・原豊二・岡部明日香・笹生美貴子)。 平成25年3月16日には、物語研究会にて、シンポジウム「古代中国音楽と平安文学」(於日本大学)を開催し研究発表をした(コーディネーター:原豊二、研究発表:正道寺康子・佐藤信一・笹生美貴子)。本シンポジウムに、中国西北大学の王維坤教授を招聘し、基調講演「中国出土の古代楽器と音楽文化―隋唐墓から出土した伎楽傭と楽器を中心として―」をしていただいた。王維坤氏および研究発表者と当日参加した研究者との間で活発な意見交換を行い、その結果、古代中国音楽と平安文学の関連の全体像が示された。 中国清華大学での研究発表および日本大学でのシンポジウムの成果は、『アジア遊学 東アジアの音楽文化―物語と交流と―』(勉誠出版 2014年1月末刊行予定)にまとめる予定である。 なお、平成23年度の研究成果を中国の雑誌『文史知識』に発表する予定であったが、諸事情により刊行が見送られたため、急遽、全文を書き改め、他の雑誌に発表した(研究発表【雑誌論文】参照)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
『琴操』の書き下し文をインターネット上で公開し、中国・北京で研究発表、日本ではシンポジウムを開催し、論文発表もできたので、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後、『琴操』に注釈を付す作業に取り組むが、かなりの時間を要すると考えられるため、関東圏在住の研究代表者・正道寺康子、研究協力者・笹生美貴子・佐藤信一・西口あやは、月に一度、研究会の時間を設け、検討を重ねてゆく予定である。米子在住の研究分担者・原豊二は年に二、三回上京し、検討の機会を持つことになっている。台湾在住の研究協力者・岡部明日香も、年に二回来日の予定である。 この研究成果を踏まえ、年度末に『琴操』の翻刻・書き下し文・注釈を冊子化する予定である。 また、『アジア遊学 東アジアの音楽文化―物語と交流と―』(勉誠出版 2014年1月末刊行予定)の刊行を予定している。 最終年度ということで、平25年12月27日に台湾の中國文化大學でミニシンポジウム、28日に台灣大學で学術交流会を開催する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
2,453円の繰越金があるが、下記の旅費または冊子印刷代に組み込む予定である。 平成25年度は台湾・中國文化大學のミニシンポジウムで研究発表を行うので、研究代表者・分担者・協力者は綿密に連絡を取り合い、研究成果を公開に向けて準備する。 また、『琴操』に注釈を付す作業のため、関東圏で研究会を毎月実施する。米子在住の研究分担者・原豊二は年二、三回上京し、研究会に参加する。台湾在住の研究協力者・岡部明日香も年二回来日し、検討に加わる。 従って、研究費の大部分を研究会のための国内旅費および台湾出張のための海外旅費に使用する予定である。 上記の研究成果を踏まえ、年度末に『琴操』の翻刻・書き下し文・注釈を冊子化するので、残りの研究費は印刷代にあてる予定である。
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