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2014 年度 実績報告書

ロマン主義時代における国民小説の誕生とその変容

研究課題

研究課題/領域番号 23520277
研究機関東北大学

研究代表者

鈴木 美津子  東北大学, 国際文化研究科, 名誉教授 (60073318)

研究期間 (年度) 2011-04-28 – 2015-03-31
キーワード国民小説 / 歴史小説 / シドニー・オーエンソン / マライア・エッジワース / サー・ウォルター・スコット / 植民地主義 / 帝国主義 / アイルランド
研究実績の概要

本研究の目的は、Maria Edgeworth、Sydney Owenson、 Sir Walter Scottなどのアイルランドやスコットランド出身の作家によって執筆された国民小説(National Tale)がヴィクトリア朝時代に引き継がれていく過程でいかなる修正、変容を加えられたのかを、小説に用いられている枠組み、テーマ、道具立て、そして作家の宗教意識、政治意識などを分析することによって検証し、錯綜する19世紀小説にある種の見取り図を提示することである。
最終年度にあたる今年度は、二回の学会発表と二篇の論文執筆に取り組んだ。学会発表の一つは「ヘイスティングズ裁判とロマン主義時代の女性作家」(日本英文学会第86回大会招待発表、20014年5月)である。この発表では、Phebe Gibbes とElizabeth Hamilton のインドを舞台にした二作品を分析することによって、作家の政治意識、宗教意識を探った。もう一つは、「異国への旅─ロマン主義時代の英国小説を中心に」(片平会50周年記念大会招待講演、2014年8月)であり、Owensonと Scottの作品の主人公が、国民小説の常套的な枠組みに従って、インドへの旅に出かける様を跡付け、両作品に見られる政治意識の違いを指摘した。論文の一つは「『縁故』に見られるマライア・エッジワースの国家観─都会、田舎、そして教育」である。Edgeworthの国民小説『縁故』に潜む政治的戦略を検証した。この作品においてEdgeworthが提示した理想の国家像は、連合王国よりも一層大きな枠組みをもつ北ヨーロッパ・プロテスタント国家の集合体であることを指摘した。二つ目は「異郷への旅─オーエンソンとスコットのインド表象」であり、OwensonとScottの国民小説に潜む政治的意図を探ることによって、両作家の政治意識の違いを明確にした。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 「異郷への旅─オーエンソンとスコットのインド表象2015

    • 著者名/発表者名
      鈴木美津子
    • 雑誌名

      片平五十周年記念論文集『英語英米文学研究』

      巻: 記念号 ページ: 222頁-239頁

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 「『縁故』に見られるマライア・エッジワースの国家観─都会、田舎、そして教育」2014

    • 著者名/発表者名
      鈴木美津子
    • 雑誌名

      『東北ロマン主義研究』

      巻: 創刊号 ページ: 53頁-66頁

    • 査読あり
  • [学会発表] 「異国への旅─ロマン主義時代の英国小説を中心に」2014

    • 著者名/発表者名
      鈴木美津子
    • 学会等名
      片平会50周年記念大会
    • 発表場所
      名古屋工業大学
    • 年月日
      2014-08-02
    • 招待講演
  • [学会発表] 「ヘイスティングズ裁判とロマン主義時代の女性作家」2014

    • 著者名/発表者名
      鈴木美津子
    • 学会等名
      日本英文学会第86回大会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2014-05-24
  • [図書] 「『ラドロー卿の奥様』と歴史小説の伝統」、『エリザベス・ギャスケル中・短編小説研究』2015

    • 著者名/発表者名
      鈴木美津子
    • 総ページ数
      231-244
    • 出版者
      大阪教育図書

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公開日: 2016-06-01  

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