(1)ホガースと理神論について。英国18世紀に興隆した理神論は、合理的な問いかけが許されるべきという「表現の自由」への同意を導いた。ホガースにおける自在な宗教批判の1つの理論的根拠となったのが「表現の自由」を保証する理神論であることが明らかにされた。(2)ホガースとフリーメーソンについて。ホガースの幾つかの図像の中にフリーメーソン受容の痕跡が見られることを証明した。(3)ホガースのポルノグラフィは「好色な聖職者」の図像と露骨なポルノグラフィであり、公になれば「発禁」となる「好色もの」に大別される。いずれのカテゴリーにおいても、その根源的構造がエロス的要素から成立していることを明らかにした。
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