研究課題/領域番号 |
23520281
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研究機関 | 茨城大学 |
研究代表者 |
小林 英美 茨城大学, 教育学部, 准教授 (70277862)
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研究期間 (年度) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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キーワード | Romantic Women Writers / Elizabeth Hands / Janet Little / Helen Maria Williams / Charlotte Smith / 定期刊行物 / 書評 / 予約購読出版形式 |
研究概要 |
研究計画の初年度であったので、関連分野についての資料・情報の収集を中心に行なうと同時に、研究発表を行なった。具体的には下記のとおりである。(1)計画どおり、3年間の研究計画で研究対象としている詩人の書評を掲載している定期刊行物の所蔵図書館と、電子資料等で閲覧可能かを調査・確認した。特に注目すべきは、定期刊行物における女性詩人・作家作品批評を収集したRomantic Women Writers Reviewed(Pickering,2011)の刊行開始である。基礎的な情報の多くをここで得ることができ、今後2年程度を要する3期にわたる刊行であるため、本研究計画と時期的に重複することがわかった。その第1期刊行分を本年度は購入して精査し、Helen Maria Williams、Charlotte Smith、そしてElizabeth Handsらイングランドの詩人の書評を分析した。(2)Elizabeth Handsは25年度に研究対象とする予定であったが、我が国ではほとんど先行研究がないこの詩人への定期刊行物書評と予約購読出版の間に興味深い点が多々あったため、本年に先行して研究を行なった。その研究成果は欧米言語研究会において「18世紀末英国の予約購読形式出版詩集とその書評――エリザベス・ハンズの事例研究」(於日本大学)として口頭発表した。(3)Helen Maria WilliamsとCharlotte Smithについては、資料も豊富で先行研究も比較的多いため、その精査にはもっと時間を要するので、研究成果の発表は次年度にする。(4)昨年度に発表したジャネット・リトルについての研究発表を、査読付き研究論文「ジャネット・リトルの『詩集』の予約購読者の分析」『カレドニア39号』(日本カレドニア学会,2011)としてまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
定期刊行物書評と予約購読出版の関係を究明するのに、Elizabeth Handsの事例がたいへん重要な示唆を与えてくれることに気付き、その事例研究を前倒しして行ない、その成果を研究発表したため、当初予定していたWilliamsとSmithの研究とそれらの論文化がやや遅延することになった。しかし、Handsの研究はもともと最終年度に実施する予定のものであったので、総合的に見れば遅延にあたらないと考える。むしろそのほかの事例研究をする際の指針ができたと思われる。
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今後の研究の推進方策 |
研究途上のWilliamsとSmithについての研究を引き続き推進すると同時に、スコットランド系詩人Grantらへの書評研究を予定どおり実施する。いずれの場合においても、Hands研究での成果を援用して、関連付けて研究発表する計画である。またスコットランド詩人の場合は、Burns等著名な詩人の書評や地域性と政治性にも配慮した研究を行なう。
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次年度の研究費の使用計画 |
(1)定期刊行物における女性作家への書評を収集した文献Romantic Women Writers Reviewed(Pickering)の第2回刊行分を購入費。そのほか研究に関係する重要文献があった場合は購入する。(2)研究会での研究発表のための旅費。(3)英国等の海外図書館等での資料収集のための渡航費用。
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